第五話「驚きの連続」《2》
ロイシャラン王国が手引き。
ファイは焦った。
だとしたら、今からここにロイシャラン王国が来るだろう。
そして今までにない、大規模の戦争が始まるだろう。
この反乱は、敵勢力の戦力を落とすためのものだろう。
ならば、この兵士達は、ロイシャラン王国の間者だ。
ファイは一旦その場から離れた。
それを見て、レインも付いて来る。
ファイはそこで、今の説を、説明する。
「もしそうなら……」
「あぁ。ここに来るかもな」
「いえ、そうじゃなくて……」
「??」
レインは、何か他の事に気付いたらしい。
レインは頭の回転が速い。
「もし、ロイシャランが……いえ、もしじゃありません。さっき、兵士は『何故今か?』と言っていました。だから、これが企画されたのはつい最近、そして緊急だった。なら、こう仮定できませんか?」
レインは少しためる。
「サイクスの出現で、今は攻められたくなかった」
「!!」
ファイは驚いた。
繋がった。
全てが。
「すると、もっと大変なことになるな……」
「はい」
連絡をすることが出来ない状況。
それは、危機を表している。
サイクスというたった一人に。
「一旦イルドの所に戻ろう。ラーチャさんが目を覚ましてるかもしれない」
「分かりました」
二人はイルドの所に向った。
するとそこでは、ラーチャが目を覚ましていて、泣いていた。
イルドは何も言えないで、ただ隣に座っている。
状況は分かる。
ラーチャが事件のことについて知ったのだろう。
イルドがファイの顔を見る。
「ファイ……俺は、気付いてはいけないことに気付いてしまった。そしてそれを、口にしてしまった」
イルドが小声で言う。
立ち上がり、ファイに近づきながら言う。
「あの五人は……間者だ」
「……」
ファイは何も言わない。
知っていたことも、今それを話そうとしていたことも。
そして、その確定的な証言を、さっき聞いていたことも。
「俺はこれから、ラーチャさんとスレイタウンに行くことにした。そこには、俺のじいちゃんがいる」
イルドはラーチャを一回見て言う。
「ファイ…そして、そこの隣の人……お前らは、シャラジューマなんだよな?……なら、同行してくれ」
そして、頭を下げて言う。
「頼む……守ってくれ……。俺の、最初で最後のお願いだ」
「……」
何故こんなお願いをするのかはすぐ分かった。
今はもう夜だ。
そして何より、イルドはこれからここに大軍が来ると思っている。
二人じゃ助からない。
そう思ったのだろう。
「イルド……分かった。同行しよう。俺も東の方には用があってな」
「!!」
そこでレインが反応した。
「ファイさん!!まさか……」
「俺はただ、どうなっているか知りたいだけだ」
「ファイ……俺にはそっちの事情はよく分からねえし、追求しない。…ただし、俺達を巻き込むなよ?」
「分かっている」
しかしイルドは分かっていた。
ファイがシャラジューマを裏切ったことも、それを追い、レインまでもが裏切ったことも、そして、裏切り者のファイが、命を狙われていることも。




