第四話「理由」《2》
ファイは動揺が隠せなかった。
自分はロイシャラン王国にいたのだ。
何故逆方向のシャルゼイナ王国いるのだろうか。
ラーチャはただ真っ直ぐ、村の出入り口に向っていく。
村を見ると、やけに賑やかだ。
「今日は何かあるのか?」
間が持たなく、ファイは口を開いた。
「今日は祭りがあるの」
「祭り?」
「うん。この町を守ってくれている人達が企画したの」
そんな話をしていると、男の子が一人、こちらに向って来ていた。
男の子は、ファイではなく、ラーチャを見ていた。
「ラーチャさん」
男の子はラーチャを呼んだ。
黒い髪は短く、目は丸くないが、鋭くもない。
瞳は黒で、身長はファイより低い。
年も、ファイより低いだろう。
服装は普通の私服だったが、腰には、おかしな物があった。
長く細い鞘だ。
そしてその中には剣がある。
ファイは思わず剣と男の子とを交互に連続に見てしまった。
しかし男の子とは目が合わない。
「この人は、ファイ・アルロス君だよ」
ラーチャが紹介をしてくれる。
しかし男の子は興味がなさそうだった。
「ラーチャさん、祭り、行くよね?」
男の子は、自己紹介すらしなかった。
「うん、行くよ。でも、これからちょっと出かけるから、ちょっと待ってて」
「え……あ、うん。分かった。じゃ」
すると男の子は、一瞬で消えてしまった。
最後の表情はなんだったのだろうか。
「えっと、今のは、イルド・サンシル君だよ」
「あ……あぁ」
微妙な会話をしながら、ファイとラーチャは村を出た。
その間に、ファイは分かった。
あの男の子が剣を普通に持っていた訳を。
西の国、シャルゼイナ王国では、村に敵が来た時に、村の人も兵士として戦うらしい。
その為、いつでも戦えるように、剣の訓練は欠かすことは無いという。
だから、村の人が、剣を持っていたとしても、何も不思議なことではないのだ。
「ここだよ」
村を出てしばらく経ったところで言った。
周りわ木々で覆われている。
村が少し見える程度だ。
「……」
分からなかった。
こんな所、来た覚えなんてない。
空は暗くなりかけている。
もう夜だ。
「!!」
「!!」
二人は同時に同じ方向を見た。
誰でもそうするだろう。
ほんの数秒の内に、巨大な、そして恐ろしい『爆発音』が、村から聞こえたのだ。
爆発音。
そう、村で爆発が起きたのだ。
「あ……いや……」
隣でラーチャが口を押さえている。
ファイは周りを確認する。
誰も居ない。
「どうする……」
ファイは呟いた。
ラーチャは既に地面に膝を付いている。
簡単に言えば、混乱しているのだ。
ファイは迷った。
いや、迷ってしまった。
普通ならすぐに助けに向うだろう。
しかしシャラジューマのころの癖で、それが出来なかった。
村を助けることは『自分にとって得か否か』。
ファイはすぐに首を横に振った。
そんなことを考えているところではないのだ。
「ラーチャさん、少し待っていてください」
そう言い残し、ファイは走った。




