第二話「5人の旧友」《6》
「こ……これは…」
ファイは目を大きく見開いて驚いていた。
ベッドに座ったまま、目の前にある料理を一口食べた。
「う…美味い…」
「でしょ?」
レイラは自慢げに微笑んだ。
目の前にある料理は、レイラが作ったものだ。
少しお腹が空いたとぼやいたら、レイラが作ってくれたのだ。
意外だった。
話を聞くと、ジェイダスと二人暮しらしいから、料理を作れるのなんて普通かもしれない。
だが、この性格で美味しい料理を作ると違和感が感じられる。
「話は戻るけど、レクシィ城…だっけ」
「そう。そこだと思うよ」
ファイはその時突っ込まなかったが、レイラは、「昨日から」ジェイダスがいないと言った。
つまり、あれから1日経ってしまっていたのだ。
昨日、ジェイダスが連れ去られたとしたら、もう近く…少なくともこの町には居ないだろう。
そこで一番怪しいのは、この町から一番近いロイシャラン王国の城、『レクシィ城』だ。
「何処にあるんだっけ」
「えっと……」
レイラによると…。
町の東にある森に入り北に抜けた所にあるらしい。
ここから、距離でいうと、約5km。
遠く感じるが、魔法を使えば楽勝だ。
「…ふぅ」
ファイは料理を食べ終わった所で立ち上がった。
少し体は痛いが、我慢出来る範囲だろう。
「行く?」
「あぁ。悪いな」
「それはジェイ兄に言って」
「もっともだ」
ファイは家を出て、東の方を見た。
「先行くよ」
そんなファイの横を、レイラが走りながら抜かして行った。
まさかレクシィ城まで走っていくのだろうか。
ファイには『風』があるから大丈夫だが。
と、思っていたら、レイラが水と化して消えた。
少し遠くの方で、水がいきなり現れてレイラの姿となった。
「なるほど」
ファイは思わず声に出した。
それなら疲れないだろう。
「あ!!」
気付いたらレイラを見失ってしまった。
ファイは焦った。
あの性格だ。
遅れたら、何を言われるか…。
ファイは慌てて風を足にやり、走り出した。




