第二話「5人の旧友」《4》
ケイズとフィクスが戦っている中、三人の者が、何もしないでただ見ていた。
メサイアと、二人の少年だ。
さっきからずっと下を向いて動かない少年。
その少年は、シャラジューマにしては珍しく、右手に鞘にしまってある剣を持っていたのだ。
少年は、これは珍しくないが年齢が低く、まだ十二歳だった。
髪は緑で、瞳は濃い青といったところ、背は低く、まだ145くらいしか無い。
少年の名は、レイン・スペラクト。
ファイと同じ時期に入ったけれど、レインは優秀で、さらに使える魔法も珍しく、すぐにファイより、一枚も二枚も強くなっていった。
しかしレインは、ずっとファイを、兄のように慕ってくれていた。
もう片方の少年。
彼の髪と瞳は緑で、背はファイより少し低い。
年もファイより若く、十五歳だ。
彼の名は、レイス・トーリア。
ファイと同じ、『風』の能力を使っている者で、ファイの同居人だった。
それ故に、何も相談してくれなかったファイに、4人以上の怒りを感じ、
何も気付けなかった自分にも、怒りが湧いていた。
ファイは、ケイズとフィクスの攻撃を避けるのに必死だった為、ただ見ているだけの3人の様子なんて、確認していなかった。
だから、その内の一人が、右手をファイに向けたなんて事に気付くのに、数秒遅れてしまったのだ。
その数秒のせいで、ファイは傷だらけになってしまった。
いたるところが切れ、そこから血が大量に流れ出て、全身に激痛が感じられた。
中級レベルの風魔法、『かまいたち』
そう、ファイを攻撃したのはレイスだ。
ケイズとフィクスの攻撃が止まった。
ファイは激痛を耐え、立っている。
が、それ以上動くことが出来ない。
服に血が染まり、重くなっていく。
視界もだんだん赤くなっていく。
メサイアは、視線を逸らした。
「ファイ」
ケイズの呼びかけに、全く反応がない。
もう意識が無いのか、全く動けないのか分からないが、何の反応も無い。
ケイズは右手に岩を集めた。
岩は、ケイズの右手に頑丈にくっついた。
先端が鋭く、簡単に何かに刺せるだろう。
それがファイの目の前にある。
もう意識が無いのだろう。
ファイは全く動かない。
ケイズは目を閉じ、右手を引いた。
それを見て、他の者も見ていることが出来ず、視線を逸らした。
そして右手が、前に向って動いた。
嫌な音が聞こえ、嫌な感触がした。
岩の上を、大量の液体が流れているのが分かる。
ケイズはゆっくりと、目を開けた。
「なっ………!!」
ケイズは思わず声が出た。
ケイズだけでは無い。
他の4人全員が驚いた。
流れているのは血では無く、ただの透明な水だったのだ。
ケイズは一瞬で理解し、叫んだ。
「初級レベルの水魔法『水人』!!」
それと同時にケイズの目の前にあったものは、水となって地面にかかった。
それを見て、数人、心の中でほっとしていた。
登場キャラが、序盤なのに多くてすいません。




