番外編2 幹部、返信地獄
昨夜の飲み会の勢いのまま、参加者たちはそのまま寝てしまっていた。
ピロン
スマホの通知音で起きる蒼真。
頭痛い…と思いながらスマホを見つめた。
「……」
ピロン
もう1度の通知音で蓮を目を覚まし、スマホを手に取る。
ピロン
ピロン
ピロン
「…え?
「……は?」
蓮と蒼真は震える手でスマホを見る。
「既読……23……」
「何これ…」
蓮は困惑する。
スマホに送られてくる、連盟グループの通知…
ーーー「テキーラ、20杯目ぇぇぇぇ!!!」
完全に出来上がっている蒼真。
「終わりか、れーーーん!!!」
「お前が終わりじゃ、ぼけぇ!!!」
ーーー「…ねぇ、大和ぉぉぉ!あんな吹き飛ばされるなんて、聞いてないよぉぉぉ!!」
泣き出している天音。
「天音、泣くな」
「だって、俺、最強って言ってたじゃん!」
「…総統、辞めたい」
ぽつりと呟く。
「それは、ダメ」
それは昨夜の荒れ狂う自分たちの動画…。
「誰だよ送ったの……」
蒼真が低く呟く。
「1人しかいねぇだろ」
蓮も低く呟いた。
そして、視線を向けた先には
なぜか陽葵の傍で眠る奏の姿。
視線に気が付くと目を覚ます奏。
「「お前かぁぁぁぁ!!!!」」
蒼真、蓮の怒鳴り声が響き、部屋内の全員が目を覚ました。
何事だ?とキョトンとする。
「お前!!蓮はともかく、天音はダメだろぉぉぉぉ!!!!」
「いや、蒼真は良くても、俺はだめだぁぁぁぁ!!!」
「そして、天音さんはもっとだめだぁぁぁぁ!!!」
「記録は大事ですから」
天音と橘もスマホを確認する。
橘は頭を抱え、天音は青ざめフリーズした。
ピロン
「……来た…」
蒼真が恐る恐る、画面を見る。
【幹部A】
「総統、お疲れなんですね」
【幹部B】
「総統、辞めないで」
【幹部C】
「総統、泣かないで」
天音はなお、フリーズしている。
数秒後――
「……うぅ……」
「来たか…」
蒼真が静かに呟く。
「うぅぅぅぅぅぅ……」
天音は部屋の隅へ移動し、しゃがみ込む。
蒼真が傍に寄り添う。
「俺は……何をしているんだ……」
「人生振り返るな」
「総統が……こんな……慰められてる…」
「もう遅ぇよ」
「終わったぁぁぁぁぁ……」
「終わってますね」
と奏。
「お前黙れ!!!傷をえぐるな!!」
と蓮が突っ込む。
その横で――
「……いい酒だ」
「まだ飲んでんのかよ!!!」
橘は現実逃避なのか通常運転なのか向かい酒を飲みだしていた。
が、その表情は悟りを開いた者の表情。
「こういう時ほど、落ち着いて飲むべきだ」
「状況見ろ!!!」
ピロン
「……あ」
【幹部A】
「次回の飲み会も楽しみにしております」
「やるかぁぁぁぁ!!!!」
と天音の絶叫が響いた。
そんなみんなの様子を見ながら
陽葵の朝の太陽のヒカリに目を細めた。
—当たり前の日常。
こんな日常が続ききますようにと。




