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番外編 神代家の問題児

幼少期の蒼真、橘さんの様子が見れます!



神代家 本邸。

「蒼真様、廊下は走ってはいけません」

静かな注意。

使用人が蒼真へ声を掛けた。

だが——

「だって急いでんだよ!」

バタバタバタッ!!

全力疾走。

「蒼真」

低い声だった。

ピタッ

止まる。

ゆっくり振り返ると——

橘が立っていた。


「……どこに行く」

「外」

「なぜ走る」

「速いから」


沈黙。


「そうか」

一歩、近づく。

蒼真はまた走り出そうとした。


「——で、転ぶんだな」

「っ!」

その瞬間、足をもつらせた。

ドンッ!!

「いってぇ!!」

見事に転んだ。

橘は一瞬だけ空を見た。

「……言ったそばからか」

「だってさぁ!」

蒼真は立ち上がりながら不満げに言う。

「走った方が早いだろ!」

「ここは遊び場じゃねぇ」

ゴンッ

「いてっ!!」

軽く頭を叩かれる。

「痛ぇな!」

「覚えろ」

「……なんだよ」

頬を膨らませる蒼真。

橘は小さくため息をついた。

「お前は止まらねぇな」

「止まる理由ねぇし」

即答だった。

一瞬、橘の口元がわずかに緩む。

「……そうかよ」

遠くで使用人がひそひそと話す。

「あの子、本当に自由ですね」

「天音様も何も言われないんですもの…」

「ですが——」

「あの方がついてますから」

橘は何も言わなかった。

ただ——

少しだけ、目を細めた。

「あいつとお前はそっくりだ」

橘の言うあいつが誰なのか

蒼真は分からず首を傾げた。




知らなかった過去と、変わらない関係。


夜。

訓練所の外。

蓮は煙草に火をつけていた。

「……珍しいな」

背後から声。

橘だった。

「少し、考え事を」

煙を吐く。

「蒼真のことか」

「……まぁ」


少しの沈黙。


「昔から、あんな感じなんですか」

橘は一瞬だけ間を置いた。

「……ああ」

短く答える。

「ガキの頃から、走るなって言っても走る」

「止まれって言っても止まらねぇ」

蓮は小さく笑った。

「今と変わらないですね」

「ああ」

「……で、転ぶ」

「それも変わらねぇな」

少しだけ、空気が緩んだ。

蓮は煙草をくわえたまま呟いた。

「……なんで、あいつなんですか」

「橘さんが教官に復帰した理由…」

「蒼真のために戻ったんすか」

橘は何も答えない。

「…橘さん、忙しいでしょ」



「蒼真の他にも見てねぇと危ないのが居るからな」


即答だった。


少しだけ視線を遠くに向ける。

「放っておけねぇんだよ」

蓮は何も言わなかった。


「……俺も、ですか」

「ああ」

橘さんはぼそっと呟いた。


「お前ら、似てるからな」


「……は?」

蓮は目を丸くした。


「気付いてねぇのは、お前らだけだ」

「どこがですか」

「突っ走るとこ」

タバコをひと吸いすると橘は言葉を続けた。

「止まらねぇとこ」

「……守るもん見つけた時の顔もな」

橘はそれ以上何も言わなかった。

蓮は何も言えず煙草を深く吸い込む。

「……そうですか」


それだけだった。


でも——

その表情は、少しだけ柔らかかった。


蒼真は子供の頃から変わりません。

天音が何も言わないと使用人が話してますが…

天音も叱る時は叱りますwww

天音の過去にも由来してますので、今後に期待してください。

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