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【第1章完結】聖女様の騎士になったけど、おっぱいの防御が難しすぎる!  作者: 月城メロン
第1章 聖女様の騎士

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第8話 神様は実在した

 わたしは魔王の娘――ルミナリア・ヴァルグリム。


 偉大なる父の一人娘。


 かつて北方大陸(氷の地)を支配する父は、勇者レオン・ヴァルディスによって倒された。


 ううん、倒されたというのは正しい表現ではないわ。


 一刀両断。


 父はあの忌々しい勇者に真っ二つに切られたのだ。


 あの勇者の剣撃は凄まじかった。


 その余波は魔王城をも粉砕したのだ。


 当時魔王城に隠れていたわたしは、瓦礫に埋もれて左腕を失くしてしまった。


 その時、わたしは勇者に復讐すると誓った。


 しかし、わたしは弱い。


 残念ながら、ね。


 だから、わたしは生き延びることにした。


 生きて、生きて、生きてやる。


 それこそ勇者レオンへの復讐だと思った。


 あなたは魔王の血を残してしまったことを後悔するがいい。


 そう思わせるのがわたしなりの復讐なのだ。


 しかし、あの勇者は北方大陸(氷の地)を蒸発させていた。


 海に流されたわたしが流れ着いたのは人間の街――海洋都市ヴェナス。


 そこで路地裏に隠れながら物乞いをしてなんとか生きながらえている。


 左腕のないわたしには働くことも働く場所もないのだから。


 幸い、わたしの見た目は人間と変わらない。


 魔族にしては珍しいほうだ。


 だから、誰もわたしの正体に気づくことはなかった。


 わたしたち魔族がなにをしたというの……?


 ちょっとだけ人間を大量に虐殺しただけじゃないか。


 それの何が悪いの?


 この世は弱肉強食。


 弱いものは強者に支配されるのが運命。


 その命でさえおもちゃにすぎないのだ。


 それなのに、勇者レオンは父を(ころ)した。


 いつもわたしに優しかった父。


 ずっとそばにいてくれた父。


 愛する父。


 涙が出る。


 思い出すだけで胸が引き裂かれそうになる。


 でも、この日、奇跡が起きた。


 なくなっていたはずのわたしの左腕は再生したのだ。


 わたしはすぐに理解した。


 これは神様の恩寵なのだと。


 神様はわたしを見放さなかったのだ。


 わたしは神なぞ信じていなかった。


 だがこの瞬間、神様は実在するのだと確信した。


 わたしは胸の中に湧き上がる感情に任せて心の中で叫んだ。


 ああ。


 神様!


 神様……!!


 神様…………!!!


 あなたがもしわたしの前に現れたらこの身を捧げよう。


 煮るなり焼くなり、《《夜伽》》でもなんでもいい。


 それほど、左腕を失くした絶望を神様が癒してくれたのだ。


 そして、神様の奇跡はこれだけでは終わらなかった。


 見つけてしまったのだ。


 勇者レオン。


 このヴェナスの街で鼻の下を伸ばしながら女の子とデートをしている男。


 この機を逃したらもはや二度と勇者レオンに会うことはないのだろう。

 

 だから、わたしは護身用の短剣を持って、勇者レオンに突っ込んだ。


 ◇


 殺気!?


 どこだ!?


 どこからだ!?


 並ならぬ憎しみの感情を感じる。


()の仇!!」


 なに!?


 (おっぱい)!?


 やはりセレスティア様のおっぱいは狙われているのか!!


 短剣を持った真紅の髪をした少女。


 どうやらやつの狙いはセレスティア様のおっぱいのようだ。


 だが悪い。


 相手が悪すぎる。


 この魔王の四天王を片指でねじ伏せた勇者の前で、その攻撃は児戯に等しい。


 俺は瞬時にセレスティアのおっぱいを覆っている【多重結界】と【絶対結界】を収束させた。


 もう過ちは繰り返さない。


 俺はそう誓っ――


「んぁ……!」


 なに!?


 セレスティア様のおっぱいが変形している!?


 まさか。


 まさか、その短剣はただのフェイントで、俺ですら見えない魔法を使ってセレスティア様のおっぱいを攻撃していたのか!?


 それも俺の【多重結界】と【絶対結界】を貫通して!?


 不甲斐ない。


 不甲斐なさすぎる。


 俺の力が弱まったせいで、またもやセレスティア様のおっぱいに傷を負わせてしまった。


「貴様ァァア!!」


 よくもセレスティア様のおっぱいを傷つけたな!!


「ひ、ひぃ……!!」


 なぜか崩れ落ちる少女。


 だが少女とは言え、もはや生かす価値もない。


 漆黒炎弾――


「待ってください! レオン様!」


「しかし、この少女はセレスティアのおっぱいを傷つけたのです!」


「(傷つけた?)私は無事です。この少女はきっとお腹がすいてこうして襲ってきたのでしょう」


 なんという心優しきお方。


 確かに、今地面に倒れ込んで震えている少女はきっとお腹がすいて途中で力尽きたのだろう。


「レオン様、この子は私が連れ帰ってもよろしいでしょうか」


「セレスティア様の決断なら、お従いいたします」


 今回の件は俺が未熟ゆえのこと。


 この少女に怒りをぶつけてはいけない。


 幸い、セレスティア様のおっぱいは無事のようだし、この件は不問に処そう。


 ハリといい。


 大きさといい。


 見た感じ問題はなさそうだ。


 でも。


 まただ。


 俺はまたしてもセレスティア様のおっぱいを守れなかった。


 一生の不覚。


 俺は再度、セレスティア様のおっぱいを守り抜くと誓ったのだ。


「あなた、名前は?」


「ルミナリア……です」


「良かったら私と一緒に来ませんか? ちょうどメイドが足りないと思っていたところでしたので」


「わ、わたしを雇ってくれ……る……のですか……うぅっ……」


 泣き出す少女、ルミナリア。


 これも全部セレスティア様の慈愛に満ちた心のおかげ。


 少女の殺気はなくなっていた。


 正直自分のおっぱいを傷つけようとする者をメイドとして雇うのはいかがなものかと思ったが、これなら問題はないだろう。





 しかし、あれからセレスティア様の新しいメイドになった少女、ルミナリアはずっと俺を見つめてくるのだ。

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