第5話 身体が熱くなる理由
宿屋の部屋に入り、私はすぐに上着を脱ぎ捨ててベッドの上に横たわった。
身体が熱い。
全身が熱い。
これも全部レオン様のせい。
『ご心配なく、かならずこのレオン・ヴァルディスが貴女様をお守りいたします』
そんなこと言われたら、どきどきせずにはいられないもの。
レオン様の(私のおっぱいへの)熱い視線。
彼は生涯私を守ると誓ってくれた。
それがすごく嬉しかった。
「んぁ……」
気づいたら、手を股間に伸ばしていた。
「あぁんっ……うぅ……んぁっ……」
指が止まらない。
身体が熱すぎる。
任命式の日、私を抱きとめたレオン様はこう言った。
『ええ、もちろんです。貴女の全てを受け止めるつもりでいました』
あんなに真剣な表情で私を見つめるレオン様。
胸の鼓動を聞かれないか心配だった。
レオン様はお母様が選んだ私の騎士。
なのに彼が顔を上げた瞬間、私の心拍数が上がってしまっていた。
白色の髪。
整った顔立ち。
勇者としてのオーラ。
まるで彼に会うために私が生まれてきたのだと錯覚していた。
あぁ、身体が熱い。
思わず胸にも手を当てる。
身体が敏感になっているのは自分でも分かる。
これもレオン様のせい。
レオン様がかっこよすぎるからいけないのだ。
「もぉ、だめぇ……」
身体が熱い。
まるで体の内部に熱した鉄棒を入れられてるみたい。
胸を触る度、レオン様の腕に胸が挟まった時の感触を思い出す。
力強かった。
勇者として鍛え抜かれてきたその腕は細いのにとても硬かった。
あぁ、身体が熱い。
もう無理……。
「い、いくっ……!」
はぁはぁ。
イったのに身体の熱が全然冷めない。
むしろさらに熱くなってきた。
私、こんなにえっちな女の子だったのでしょうか。
自〇なんてほとんどしたことがないのに、これも全部レオン様がいけないから。
最初は怖い方だと思った。
なぜなら、魔王を一人で倒した勇者なのだもの。
それなのに、
『ははっ、謹んでお受けいたします! いかなるときも、セレスティア様をお守りし、傷一つ負わせない所存でございましゅ……』
冗談まじりに私に誓いの言葉を立てた。
私を安心させるためなのでしょう。
なんという優しいお方。
強いのに人への思いやりを忘れない。
素敵。
これ以外の形容詞が見つからない。
あぁ、身体が熱い。
なぜなの。
なぜ私の身体がこんなに熱いの?
これも全部レオン様のせい。
いつも朝私の部屋の前で待ってくれて、私が寝間着姿なのにちっともいやらしい表情を浮かべない。
なんという紳士的な方なの。
「んんっ……あぁ……」
気づいたら指が再び動き出した。
私、レオン様以外の男性と触れたことがないのに、なのに、なぜこうもえっちになってしまっているのでしょう。
『おはようございます、セレスティア様。不肖このレオンは今日も身命を賭して貴方様をお守りいたします』
いつも朝に言ってくれるこの言葉。
何度聞いても心が踊る。
私のために命を張ってくれるという覚悟。
それってもしかして告白なのでしょうか……?
だとしたら、私はなんて答えればいいのでしょう。
私は聖女。
将来は決められた相手と結婚する運命。
でも。
もし許されるのだとしたら……。
「うんぁっ……ひゃっ……うぅ……」
胸を揉む指の速さは早まっていく。
今の私はもう誰にも止められない。
身体が熱い。
ほんとにもう耐えられない。
一体どうしたのでしょう。
これは、もしかして恋……なの……?
まだ分からない。
レオン様に好意を抱いてるのは自覚できてる。
しかしそれは恋なのかどうかは分からない。
私は今まで誰かを好きになったことがない。
みんな私が次の聖女になると踏んで、企みをはらんだ目で見てくる。
そんな視線には人一倍敏感なの。
でも、レオン様は違った。
彼はいつもまっすぐに私を見つめてくれる。
そこにいやらしさはまったくなかった。
ほんとに全てを賭けて私を守ると、その意思が感じられた。
「んふっ……んんっ……」
身体が熱い。
どうしよう。
これから私はどんな顔でレオン様に会えばいいの?
彼のことを想いながら自分を慰めていたなんて、レオン様が知ったらきっとがっかりするでしょう。
そう思うと火照った顔がさらに熱を帯びていく。
そういえば、レオン様はアルス村の出身だったね。
10年前に《《滅びた》》素敵な村。
5歳の時に訪れたのだけれど、みんな優しくてとても印象深かった。
なのに、1年後魔族に滅ぼされるなんて、きっとレオン様は壮絶な人生を送っていたのでしょう。
でも。
レオン様の目に迷いはなかった。
あれは傷ついたまますべてを諦めた人の目じゃない。
実直なくらい私を見つめるレオン様の目は、とても輝いて見えた。
あぁ、身体が熱い。
熱すぎる。
これも全部レオン様のせい。
私だけを見てくれる。
とても、とても優しい人。
もはや、レオン様がいない人生なんて想像できない。
いつしか、レオン様は私にとってかけがえのない人になっていた。
この体の火照りがなによりの証拠だもの。
でないと、こんなに身体が熱くなることはなかったのに。
「んぁ……あん……ふぁ……」
私、気づいてしまった。
もうレオン様なしでは生きていけない。
私は弱い女になってしまった。
でも、いいの。
それでいいの。
もはやレオン様以外はいらない。
だから、レオン様……。
「んぁっ……!」
私は再び絶頂した。
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