第14話 リリアの決意
セレスティア様はご乱心なさいました。
よりにもよってあの女たらしと悪名高い王子と逢引してしまいました。
私はこの目で見たのです。
セレスティア様はあの王子の手を引いて大広間から出た場面を。
しかも緊張しているようでした。
あの勇者。
なぜぽかーんと立ち尽くすのですか。
あなたはセレスティア様のおっぱいを狙っていませんでしたか。
なのになぜ、そう簡単に他の男のところにセレスティア様を行かせるのです?
信じられない。
この意気地無しがよっ!!!!!
おっと、失礼いたしました。
私はセレスティア様のメイド。
いかなる時も冷静を保たねばならないのです。
相手が一国の王子だからといって、権力に屈するのはどういうことですか。
かりにも勇者。
たとえ世界を敵に回したとしてもセレスティア様を手に入れる気概を見せやがれ、です。
大広間に帰ってきたセレスティア様と王子。
どちらも疲れた顔をしていました。
どれくらいシたらそんなに憔悴しきった表情になるのやら。
なのに、あの勇者ときたら。
無遠慮にセレスティア様が何回シたのかを聞きやがったのです。
そして信じられないのが、そのあとセレスティア様があのレオン・ヴァルディスの手を握ったことでした。
まだシ足りてないのでしょうか。
男なら誰でもいいのでしょうか。
私は悲しいですよ、セレスティア様。
そんな遊女のようなことはして欲しくなかったのです……。
ああ、これならレオン・ヴァルディスにセレスティア様を奪われた方がマシでした。
◇
あの男。
廃嫡になったらしい。
それもそのはず。
やつは暗〇に失敗した。
ゆえにランスロット王国は責任逃れのためにあの男を切ったのだろう。
いわゆるトカゲの尻尾切り。
しかし。
あれほどの強者を簡単に切り捨てられるあの国には、いっぱいどれほどの猛者がいるのだろう。
次はどんな刺客が来るのか。
果たして力の弱まった俺にはセレスティア様を守りきることができるのだろうか。
否。
死んでも守る。
俺はセレスティア様の騎士だ。
身命を賭してセレスティア様を守り抜く。
それだけだ。
それだけが俺の使命だ。
これからさらに用心せねば。
どんな強敵が来るのか分かったものではないから。
そんなことを考えながら俺はセレスティア様の寝室の前で待機していた。
「《《おはよう》》、レオン様」
「ぶふぉーっ!!」
吹き出してしまった。
おっぱいが見え隠れするネグリジェ。
そんなは無防備な服をセレスティア様が着用しているのだ。
おっぱいの位置が一目瞭然。
これなら敵の(おっぱいへの)攻撃は間違いなく命中する。
いかん。
力の弱まった俺にはセレスティア様のおっぱいを守り切れる自信がない。
今まで4度にわたっておっぱいの防御に失敗した。
だというのに、セレスティア様はなんて|無防備《おっぱいの位置が敵に丸わかり》な服を着ているのだ。
俺を試しているのか。
貴方は私を守り切れるのか、と。
セレスティア様は気づいたのだ。
俺の力が弱まっていることに。
だから俺が騎士にふさわしいか試練を与えてくれているのだろう。
しかし。
俺はかりにも勇者。
セレスティア様の期待に応えねばならない。
「レオン様♡」
「―――ッ!?」
「(この格好恥ずかしいので)私の寝室でご飯食べましょう」
なぜだ。
なぜセレスティア様は俺の腕におっぱいを押し付けている。
刺客がいたことにまだ怯えているのか。
確かにこれならおっぱいの防御は容易になる。
しかし、不自然だ。
それじゃ、おっぱいが敵に狙われやすいネグリジェを着用する意図が分からない。
俺は思考まで鈍ったのか。
かつて人類を勝利に導いたこの俺が、この状況を把握できないだと。
堕ちたな、レオン。
力だけでなく、思考まで弱まったのか。
ならば俺に一体なにが残っているというのだ。
◇
セレスティア様はまた乱心なさいました。
今日はいつもの寝間着ではなく、すけすけのネグリジェを着用しています。
それだけなら、恋する乙女という理由で説明がつきます。
しかしながら、セレスティア様はあのレオン・ヴァルディスを自分の寝室に誘ったのです。
もう否定のしようがありません。
セレスティア様はレオン・ヴァルディスとこれからヤるのでしょう。
もはや一目瞭然です。
あの王子と致しただけでなく、レオン・ヴァルディスともスるのですね。
セレスティア様は女に目覚めました。
その証拠に、レオン・ヴァルディスと話す時の声は異常に甘い。
それほどレオン・ヴァルディス(のオスの魅力)が凄いのでしょうか。
考えてみれば分かるはずです。
魔王は淫魔と聞きます。
魔王たるレオン・ヴァルディスならセレスティア様を誘惑するのも容易いでしょう。
いや、待ってください。
淫魔?
セレスティア様が危ない!!!!!
分かったのです。
レオン・ヴァルディスの狙いはセレスティア様の聖力。
なんと狡猾なやつ。
そのために勇者に扮してセレスティア様の騎士となったのですね。
このままではいけません。
セレスティア様の聖力が尽きれば、この国を守る結界が崩壊します。
そして、最悪の結果、セレスティア様は死にます。
私はセレスティア様を守らなければなりません。
たとえこの身が砕けようが関係ないのです。
私はこの手でレオン・ヴァルディスを屠ると誓いました。
すべてはセレスティア様のために。
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