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【第1章完結】聖女様の騎士になったけど、おっぱいの防御が難しすぎる!  作者: 月城メロン
第2章 聖女の舞踏会

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第12話 ざまぁ!じゃないけど

 (いやらしく)笑っているだと!?


 この男はどこまで余裕なんだ。


 強者。


 この一言に尽きる。


 セレスティア様の騎士に俺がなったことは各国が知っている。


 ゆえに半端な刺客を差し向けることは考えられない。


 俺に匹敵するか、もしくはそれ以上の者。


 今までは果たしてそんな人間が存在するのかと考えていたが、それは俺の驕りだった。


 今の俺の力は弱まっている。


 だから俺より強い者が現れても不思議ではない。


 それもそのはず。


 現にこうして余裕の(いやらしい)笑みを浮かべているこの男。


 彼こそ俺より強い存在。


 まったく魔力を感じさせない隠蔽のスキル。


 そんなこと俺でも不可能だ。


 油断してはならない。


 それが命取りになる。


 俺は全神経を集中させた。


 【多重結界】と【絶対結界】を何重にも自分の身体に纏わせる。


 だがそれも安全ではない。


 ルミナリアというメイドは俺の結界を僅かに貫通した。


 この男ならきっとそれを上回る。


 覚悟を決めろ、レオン。


 今日が人生最後の日でも、セレスティア様を守るのだ。


 たとえ刺し違えることになろうとも。


 ◇


 あははははははっ!!


 ついに。

 

 ついに来た!!


 この瞬間を待っていたのだ!!


 聖女ともあろうものが、チョロい。


 チョロすぎる。


 ほら見ろ!


 今は中庭。


 誰もいない。


 ここで聖女を押し倒しても誰にもバレない。


 でもその前に、まずはそのおっぱいを堪能するとしよう。


 慌てるな。


 ゆっくりだ。


 ゆっくり行こう。


 俺はゆっくり聖女のおっぱいに手をさし伸ばす。


「―――ッ!?」


 硬い!?


 硬いだと!?


 まるで鉄壁の要塞。


 いかなる侵入者をも防ぐような城壁。


 なぜだ!?


 なぜこんなにも柔らかそうなおっぱいがこんなに硬いんだ!?


 た、体質なのか!?


 こんなのおっぱい見たことがない!!


 いや待て。


 世界は広い。


 ましては相手は聖女。


 おっぱいが硬くても不思議じゃない。


 でも。


 果たして俺はこんな鋼鉄のようなおっぱいに欲情することができるのだろうか。


 ◇


 やつが行動を起こした。


 俺の胸に向けて掌底を放ってきたのだ。


 だがすぐにこの男はなにかに気づいたように思いとどまった。


 なぜだ。


 なぜなのだ。


 この期に及んでセレスティア様を(ころ)すことを躊躇しているのか。


 不思議とこの男から覇気が抜けていく気がする。


 驚愕と不安が混ざる感情。


 まさか!?


 俺がセレスティア様じゃないのを見抜いた!?


 俺の正体がバレただと!?


 そんな馬鹿な。


 いや待て。


 今の俺の力は弱まっている。


 だから幻覚の魔法が解けかけた可能性がある。


 考えねば。


 どうやったらこの男に勝てるのかを。


 俺は幻覚の魔法に加えて、弱体化の魔法を発動させる。


 これなら少しはやつの魔力を削ぐことができよう。


 ◇


 萎えてしまった。


 史上最高に萎えてしまった。


 こんな美少女を前にしてちっとも勃ちやしない。


 おっぱいが硬いからか。


 いや、そこは問題じゃない。


 見ろ。


 あの美しいまでの曲線(くびれ)


 すらりとしたすべすべの脚。


 どれも俺の好物だ。


 ヨダレが止まらないのがなによりの証拠。


 だとしたら一体なにが原因なんだ。


 思い当たる節がある。


 最近は酒を飲みすぎていた。


 側近には酒は子作りによくないと言われているが、まさかほんとだったとは。


 俺は不能になったのか。




 この俺が!!




 どうしたらいい。


 どうしたらいいんだ。


 俺の生きがいは女だ。


 それなのに不能になってしまった。


 これは死ぬより残酷なことだ。


 神よ。


 なんという過酷な試練を俺に課したんだ。


 俺は一体どんな悪いことをしたというのだ。


 そうだ。


 きっとさっきの酒が回っているだけだ。


 そうに違いない。


 俺の性欲ならすぐにでも再起するだろう。


 集中するんだ。


 股間に全神経を集中させるんだ。


 だめだ。


 こころなしか、さっきより小さくなっている。


 ああ、終わりだ。


 俺の人生はもう終わりだ。


 もう誰でもいいから、(ころ)してくれ。


 ◇


 効いてる。


 さっきからこの男の顔色が憔悴している。


 まるで《《なにか》》に絶望しているように見える。


 そうか。


 分かったのだ。


 俺の正体に気づいて絶望したのだ。


 今の俺は力こそ弱まっているが、かりにも勇者だ。


 やつは強者なれど、死ぬ気で俺に挑まなければ負ける可能性もある。


 そう考えたのだろう。


 その証拠にやつは下半身をずっとさすっている。


 緊張か。


 あるいは動揺か。


 いや待て。


 これはもしかして俺の油断を誘うためのふり?


 俺としたことが。


 また慢心していた。


 こんなんじゃセレスティア様は守れない。


 そろそろ決戦だ。


 俺は威圧の魔法を放った。


 ◇

 

 寒気がする。


 身体の震えが止まらない。


 吐き気が催される。


 これが絶望なのか。


 ははっ。


 笑えない。


 この千載一遇の機会を前に、俺は不能になってしまった。


 手が。


 指が。


 足が。


 動けないのだ。


 聖女は俺を軽蔑の眼差しで見ている。


 それもそうか。


 お膳立てしてくれたというのに、俺は何もできずにいる。


 これから俺が不能だという噂が流れるだろう。


 もはや皇太子の地位も危うい。


 世継ぎを作れない王子など、王になれるわけがない。


 終わりだ。


 全てが終わりだ。


 もはや俺にできることは何もない。


 気づいたら膝から崩れ落ちた。


 無様だ。


 こんな姿を見られた以上、聖女も冷めるだろう。


 もう終わりだ。


 廃嫡は確定。


 女とももうヤれない。


 もう(ころ)してくれ……。

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