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四話 また異世界

一昨日異世界に行って、昨日地球に戻って、また来たのか。

もう一体何が起きてるんだろうか。

寝たら異世界に行くのか、それとも一日おきに行き来するのか。


とりあえず着替えたのでベルを鳴らして執事に訓練施設の連れていってもらった。

このベルは二つ一組になっていて鳴らすと執事に伝わるそうだ。便利だな。


まだ広くて迷う城内を案内されて小部屋に入る。

執事は「9時になったら二人は来ます」と言って去っていった。

この世界の時間やそれ以外の単位も聞いたところだと地球と変わらないようだ。


もうそろそろ二人は来るんだろうから椅子に座って待っていることにした。

二人はすぐにやってきた。


「あ、おはようございます」

「おはよう、よく来たね。ランニングが辛くて逃げ出すかと思ったよ」

「そこまで弱くは無いですよ。」


そんなやつだと思われてたか?

前に走らされてた時、喚きながら走ってたから逃げるとでも思われてたのかな。

ここでケイさんが言った。


「では、今日は身体強化魔法を教えます。」

「おー、やっとですか」

「はい。魔力操作は忘れていませんよね?」


そりゃあ一日で忘れはしないでしょう。

俺は木製の机に手を置いて魔力を流してみる。


「なっ!もう木にまで魔力を流しますか!でしたらすぐに身体強化魔法を使えるでしょう」


心底驚いたようにケイさんは言った。

木に魔力を流すことがそんなに難しいか?

かなり魔力が分散しやすいようだったが意識すればすぐに魔剣と同じように流せたぞ。


「えー、では両手を握ってください。」

「こうですか?」

「いえ、私の手ではなく、自分の手です。」

「はい……」


まあ冗談ですから気にしないでください……

気にせずケイさんは続ける。

普通に返されると寂しいな。


「先程までは体外に魔力を流していましたが、今度は自分の体の中を輪を描くように循環させます。とりあえず手でやってみると良いでしょう。」


循環か。循環というと手には血管があるからイメージしやすい。

試しに血管に従って流してみるか。


「良いですね。循環はしています。しかし、血管にそって流すと強化しすぎた時、たまに血管が破裂することがあります。」

「怖っ!え、つーかなんで血管にそって流していることが分かったんですか。」

「魔力感知を使いました。そして、血管を破裂させないようにするためには血管だけではなく腕全体に魔力を循環させてください。」


こうか?血管を起点に魔力を筋肉や骨にまで染み込ませる。


「そうです。それが良い身体強化魔法です。それを全身に行き渡せば完成です。では少し動いてみましょう。これを持ってください。」

「はい。重っ!何キロあるんですかこれ」

「大体二十キロ程度です。重くても持てますよね。」


これが身体強化の力か。

あと、これは筋力だけでなくて俊敏性や体力まで上がるそうだ。とても便利だ!


「ところで強化値の上限はあるんですか?」

「ありません。ですから魔力総量を多くして身体強化魔法を無限に使えるようになれば最強になれます。もっとも、そこまで魔力が多い人は知りませんが」


そうなのか、強化が切れないよう魔力の底上げもしないと。


「それではしばらく身体に魔力を慣らすために強化は使い続けていてください。それでは魔力感知も覚えてしまいましょうか。」

「どうするんですか?」

「こっちもあなたには簡単でしょう。まずは魔力を感じましょう。私が前に立って手に魔力を流しますので目を瞑って感じてみてください。」


言われた通りに目を瞑って体の前に集中する。

すると目の前に魔力が渦巻いているのを感じる。

おお、ちゃんと感じ取れた。


「できたようですね。では難易度を上げてみましょう。私が周りに立ちますので目を閉じて魔力を感知してください。」


俺が目を閉じたのを確認したケイさんが後ろに数歩引いて周囲を歩き出す。

しかし、魔力感知によって歩く方向が手に取るようにわかる。


「四時の方向にいます。」

「正解です。これなら大丈夫そうです。」


これを数回繰り返して魔力関連の訓練は終わった。

そして次に……また走ることになった。

今日は身体強化魔法を使えるので前よりはマシだ。


※※※


数時間走って夕方になった。

身体強化魔法が有るから今日は筋肉痛にはならなかった。

その後夕飯を食べて部屋に戻った。

うん?これは本か。

中を開いてみると全くわからない字で埋め尽くされていた。


字の翻訳機能はついてないんのか。

訓練がない時は相当暇だし、明日ケイさんにでも字の読み方を聞いてみよう。

そう思ってベッドに入り俺は眠りについた。


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