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三話 学校にて

放課後、昇降口で俺は友人の竹野慎吾と話していた。


「優樹さあ、何か今日元気なくないか?」

「あー、嫌な夢を見たんだよ。それで今日精神的にやられてんだ」

「夢ってどんな?」

「何時間か休憩無しで走らされる夢」


なんだそりゃと言って慎吾は肩をすくめた。


「いや、話したいのはそこじゃなくて夢で勇者召喚させられて勇者の訓練で走らされてたって設定なんだよ。」

「勇者召喚?設定が廚二病だな」

「うるせえ」


そんなこと言わなくても良いじゃないか。

俺が見たくてこんな夢を見たんじゃないし。


「夢はお前の脳が見せてるんだよな?つまりお前が見た夢と同じ。」

「否定しても通じないんだろうけど一応言っておく。見たくて見た夢じゃない」


そんなことを言っていると他のクラスの人たちが昇降口にやってきた。

HRが終わったのだろう。

ここにいては邪魔になるので慎吾を急かして学校の敷地からでた。

話は帰りながらでもできるだろう。


ところで私立浅見高校は家から徒歩10分も歩けばつく距離だ。

慎吾もだいたい家が同じ方向なので帰りは一緒に帰ることが多い。


俺は歩いている途中夢の話をしていた。

聞き終わった慎吾は、

「よくあるパターンだな、召喚されて勇者になるってのは。つーか今日の歴史のテストどうだった?」

と言いやがった。


俺が喋ってた5分は何だったんだ!

まあ、こいつは非常にマイペースであるので文句を言っても仕方がない。

ので、夢の話は一旦忘れることにした。


「ああ、今日はいつもより落ちると思う。夢で記憶の大部分が上書きされてテストが解けなかった。」

「夢で上書きされるほどテストは適当だったんだな。」


さっきから嫌なことを言う……

ここで十字路に差し掛かったのでここから帰り道が別れる。

俺は慎吾にまた明日と言って家路をいく。


家にたどり着いた俺は鞄を下ろし、台所から食べ物を取ってきてから部屋に入る。

いやー、テスト補習にならなければ良いんだけど。


その日はそんなことを言っていつものように宿題をやって普通に寝た。

まあ、せいぜい良い夢を!


※※※


皆さんは胡蝶の夢と言うことわざを知っていると思うだが使う場面はあるだろうか。


ことわざの意味だが、これは中国の誰かが蝶になった夢を見て人間と蝶のどっちが現実なのか分からなくなったと言う話だ。

しかし、俺は今そんな状況だ。


そんなことを言う俺はなんと、また召喚された夢を見ているのである。

本当に日本なら日本、夢なら夢どっちかにしてほしいものである。


日本にいる俺とこの世界の俺、本当の自分はどこにいるのだろう。

そう、数分考えていたが空腹を感じたので朝食を取ることにした。

夢で食事っておかしくない?


朝食はさっき運ばれてきた。

見ていたかのように起きて顔を洗ったら運ばれてきたのである。

朝食を食べて、これまた置いてあった着替えを着て呼ばれるがままに訓練場へ向かった。


意味が分からないが取り敢えず夢を頑張って乗りきるぞ!

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