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一秒という永遠~作り話と実話~

一秒という永遠~過ぎ去る桜~

作者: 狐塚 キキ

686字 (空白・改行含まない)

1541字 (空白・改行含む)

 四月(しがつ)後半初期(こうはんしょき)(えだ)(さき)(のこ)数枚(すうまい)(さくら)(はな)びらを視界(しかい)(はし)(とら)らえながら、透明(とうめい)(みず)(しず)かに(なが)れる(かわ)(なが)めている。


 見上(みあ)げると、(あざ)やかな緑色(みどりいろ)()が、()(さお)(そら)(おお)(かく)すようにあり、そよそよと(ちい)さく(おと)()てる。

 (ひと)(こえ)でかき()されてしまうような、(ちい)さな(おと)


 (さくら)()から()える、無数(むすう)()が、(かわ)(かげ)()とす。


 その(かげ)は、綺麗(きれい)木漏(こも)()(えが)いていた。




 だが、その透明(とうめいi)(みず)(した)には、人間(にんげん)()てたごみや、どこからか(なが)れてきた(どろ)が、(した)()まっているはずのコンクリートの(たぐい)()えないくらいに()(かさ)なっている。

 物心(ものごころ)ついた(とき)には(かわ)(した)(どろ)がある。


 (した)にあるのが本当(ほんとう)にコンクリートなのか、(ちが)うのか、(わたし)()らない。




 一度(いちど)(しず)かに()()じて、深呼吸(しんこきゅう)




 ()こえてくるのは、この(かわ)(はさ)んだ()こう(がわ)にある(みち)(ある)く、(ひと)足音(あしおと)


 初夏(しょか)なのか、(はる)なのか()からないこの季節(きせつ)の、(あたた)かな空気(くうき)


 (とお)くで()こえる、子供(こども)たちの(たか)(こえ)




 この瞬間(しゅんかん)が、一番(いちばん)()き。




 とはいえ、ここで()(みみ)(はい)ってくる情報(じょうほう)で、()からないことなどいっぱいある。


 いつもここで(およ)いでいる(こい)は、今日(きょう)はいない。


 数日前(すうじつまえ)には12(ひき)いた(こい)今日(きょう)はどこを(およ)いでいるのだろう。


 いつも(とお)るこの(みち)(すこ)(まえ)まで、()()けば(かわ)には(さくら)(はな)びらが()かび、(すこ)()(みち)(もど)ると、(さくら)(はな)びらが(みち)をつくっていた。


 でももう、そんなにたくさんの(はな)びらはない。

 あるのは、(すこ)茶色(ちゃいろ)くなった(はな)びらが、数十枚(すうじゅうまい)しかない。その(かず)で、(さくら)(みち)をつくることはできない。



 いつの()にか()て、いつの()にか()っていく(はる)を、(つか)まえることはできない。


 また一年(いちねん)()てば、また、きっと、(おも)わず(ある)きたくなるような(みち)をつくって、新学期(しんがっき)を、応援(おうえん)してくれるはずだ。

読んでくれてありがとうございます。こちらが実話です。


実はこの話の場面の前に、下を向いて歩いていたらトカゲがピュッっと横切って思わず悲鳴をあげそうになりました。入れようと思ったけど入らなかった…。


これを少し変えて作り話にした短編ポエムもあります。よければ読んでみてください。

好評でしたら、作り話か実話のどちらかで物語をつくろうと思ってます。

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― 新着の感想 ―
おお?あれだな。近くのあそこの用水路だな。そんなこと考えてたのか
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