ポミの花言葉
フィッシュが居なくなったことに気付いた
ランネル。ポミの花2本の花言葉とは?
第3章 第3話始まります。
鳥のさえずりと共に珍しく朝早く目が覚めた。
ベッドの隣には彼が居なかった。
朝早く訓練に行くからって言ってたっけと
眠い目をこすりながらダイニングテーブルを
見ると小さな花が2本、置いてあることに気付いた。
「ポミの花。2本の花って…。」
バンっ!と店の扉を開けて裸足で森を探して
彼の名を呼ぶが返事もない。
どこに行ったのと心の臓が鳴り響いて苦しい。
「御屋敷、お兄様……。」
裸足で屋敷まで走りお兄様の書斎の扉を開けると
サリーに、お父様、お母様が座って深刻な顔をしていた。
「はぁ、はぁ、お、お兄様。」
バッと駆け寄り震える手でリシュファの服を掴んだ。
「フィッシュが居ないの。フィッシュは?」
お兄様は唇を噛み締めて何も言わずに俯いた。
「あー分かったわ。私のベッド狭くて
寝相悪いからフィッシュここに来て、寝てるのね。」
屋敷の部屋の扉を一部屋、一部屋
扉を開けて名を呼ぶけど
彼は何処にも居なかった。書斎に戻るとランネルが
「なんで、誰も、何も言わないの?」
スッと息を吸って堰を切ったように
リシュファがランネルの肩を持って、顔見ながら
「フィッシュは、国を今朝、出たんだ。」
何?何も言わずに出て行ったの?
きっと討伐かしら?
彼にまだ言わなきゃいけないこと伝えてないのに。
「お兄様、フィッシュ急な討伐?
それとも、誰かの護衛でとか急いでたとか?」
嫌だ聞きたくない。ランネルは耳を塞いで
嫌だ聞きたくないと、首を振り続けた。
もう答えは解ってるから…。
声が震えて力が抜けていく。
ランネルの両肩をガッと掴んで
「聞くんだ!ランネル!」
強い口調で名を呼び
リシュファは首を振りながら
「もう、二度と帰って来ないんだ…。」
「嘘だわ…嘘、嘘!ハハッ。だっ…だって
ずっと離れないって、誕生日お祝いの約束したもん!」
リシュファは俯きながら首を振った。
彼女の目からぽたぽたと涙が止まらなくなり
「やだ、やだぁぁぁ!!!」
錯乱するランネルにお父様もお母様も
サリーもみんな、みんな視線を逸らす。
「何処にも行かないって…
ずっとずっと、離れないって約束したの!
いやああああっ!!」
振り乱すランネルを抱きしめるが
リシュファを突き飛ばして
「あ!そうだ、間に合うわ!
早馬に乗って走れば!サリー早馬の用意をして!」
傷だらけの足で体が震えて泣き叫び倒したい
気持ちを押し殺しながら
ランネルは、立ち上がり外に走り出そうとした。
彼女の体をリシュファが強く強く抱きしめて
「もう、もう、間に合わないんだ。」
体が震えてるお兄様の声に
何かが崩れ目の前から音がなくなり
世界は灰色にしか見えなくなった。
「あ、あ、ァァァァ!!」
その瞬間、彼女の悲痛な叫びが屋敷に響き
彼女はリシュファに抱きしめられていたが
崩れ落ちるように倒れて、意識がなくなった。
あれから3日後ー
『絶対に離さないから。』
毎晩、毎晩眠れば同じ夢、同じ声に
ランネルの泣き叫ぶ声が屋敷に響いた。
お医者さんによると精神的ショックが
大きすぎることが原因だと。治療は根気よく
彼女と向き合うしかないと。
「やっと落ち着いて眠りについた。」
リシュファが部屋の扉をソッと閉めた。
「リシュファ様、ランネル様の心痛が…。」
リシュファの奥さんミラさんも
彼女の痛みが伝わりリシュファに
抱きしめられながら涙を流していた。
ー翌朝ー
「ランネル?」
リシュファが部屋をノックすると
ベッドに座ったまま庭をただ見ていた。
綺麗な緑色の瞳は黒く染まり
天使のように弾ける笑顔さえ
人形のように笑うと、リシュファを見つめた。
「さっ、何か食べないと。」
スープをスプーンで口に運ぶが吐いてしまう。
それの繰り返しで毎日栄養剤の点滴になった。
彼女の手にはポミの花の押し花のしおりを
愛しそうに握りしめたまま。
ランゼルがリシュファに
「ランネルの様子は?」
リシュファが首を振る。
「3日3晩泣き叫ぶか、ただ窓を眺めているか
何よりあれ以来、一言も話さなくなりました。」
「なんてことだ。」
「お医者様が言うには心を完全に閉じきったか
壊れてしまったかと。
鎮静剤と栄養剤の点滴しか治療が無いみたいです。」
肩を震わせて、娘の変わりように
ランゼルはやり場のない怒りと悲しみで
いっぱいになった。
その日の夜ー
コンコン。
「ランネル入るわね。」
部屋に入ってもランネルは黙ったまま
屋敷の裏の森を眺めていた。
「これ、持って来てもらったの。」
彼女の手にソッと彼が着ていた
近衛騎士の制服を彼女の手に渡すと
ぽたぽたとアイリシアの手に涙の雫が落ちた。
彼が抱きしめてくれた時の匂い
大好きな金木犀の香りが
ランネルの心に光を灯して
声にならないような声で泣いて
制服を愛しい人を想うように握りしめ
抱き寄せて泣く姿にアイリシアが
「彼の事が好きだったのね、ランネル。」
ランネルをソッと抱きしめ
彼女の痛みが伝わりアイリシアも涙を流した。
「彼はきっとランネルを迎えに来てくれます。」
ランネルの体がピクッと反応した。
「今は、待ちましょう。
その為には、あなたが元気にならなくては。
彼が今のランネルを見たら、心配するでしょ?」
黒い瞳が光に変わり、緑色の瞳に変わり
「……。」
「お母様もお父様も
リシュファも皆で貴女を守ります。
だから、信じて彼を待ってあげないと。」
こくんと小さく頷いた。
それから少しずつ少しずつランネルは
ご飯を口から食べれるようになったが
声だけは戻らないまま。
もう帰らないまま3年がたった
ある日の夜中突然、ランネルが夜中に
叫び声を上げ、泣き叫ぶ声を上げた。
「ランネル!」
リシュファが部屋の扉を開けると
月夜に光る長い髪が揺れて
透明色のエメラルドグリーンの髪は
月明かりに光っていた。ベッドに座る彼女を見て
「ランネル?」
スッと顔を上げると彼女が
「カイル……。」
そのまま、意識をなくし慌てて医師を呼んだが
特別な、問題がないと言われホッとしたが
彼女の変わりようにびっくりしていた。
「明日、お父様達に聞いてみるよ。」
「分かりました。」
ミラに話すとパタンと扉を閉めた。
夢を見た。
遠い遠い場所であの森で
私達は恋をし恋に落ちて
『必ず迎えに行くから』
カイルが私の手にのせてくれのは
ポミの花、2本だった。
花言葉は?と聞かれて
花言葉はない花と話したら
カイルが『永遠に想う人』って
花言葉を付けてくれたんだ。
ポミの花のように、カイルに逢いたい。
作品を書きながら感情移入してボロ泣きしてしまい
歳をとると、涙腺崩壊の意味を痛感しています。
やっとやっと両思いなれたのに。
複雑すぎて、ココらから段々執筆が低迷するとは
まだ作者は思っていなかったのだった(笑)




