もう絶対に離さない
想いが交差する中、気付けば卒業式。
ランネルの答えとは?
第2章 第7話始まります。
2学年、3学年は特別な、授業はなく
自分の得意分野を重点にし
将来王室で働くスキルとして磨く日々を
2年間学ぶようなカリキュラムとなる。
「アネット様は、専攻は何にしますか?」
「私は、王室ではなく街の書店で
働きたいと思ってますの。」
アネットとはあれから普通に友人として
お茶をしたり、街に買い物に出たりと仲良く
青春の時間を共にしていた。
「ランネル様は、専攻は薬学ですの?」
「ええ。薬学に通じる仕事が出来たらと。
我が家の裏の森に木の家を建てて
小さな薬屋を開きたいなって。」
「まあ!素敵ですね!」
将来の話をしていると、リシュファお兄様と
フィッシュとレオン王子がサロンに入って来た。
「やあ。ランネル、アネット様。」
「お兄様!」
抱きつくランネル。
アネットが立ち上がりカーテシーをして挨拶をした。
「今日は、レオン王子殿下と
フィッシュも一緒なんですね!」
ランネルはレオン王子にカーテシーをし
挨拶をするとレオン王子がランネルに
「やあ。ランネル嬢、アネット嬢。
今朝、我が庭で君に。」
小さな花を1輪私の手に置いてくれた。
「アリーの花ですわ!」
薄黄色の花で特別な花では無いのだけれど
ランネルはすっごく喜んだ。
「喜んでいただけて、よかった。」
レオン王子にパッと微笑むランネル。
見てみてとアネットやリシュファに見せて
「フィッシュ!可愛いお花でしょ?」
「はい。綺麗でございます。」
フィッシュに笑顔を見せても前なら
照れてたり、恥ずかしそうな顔したのに
今は何にも表情として見せてくれない
フィッシュにランネルの顔が曇った。
「皆さんでお茶にしましょ?」
アネットが助けてくれて表情を変えたランネル。
リシュファの腕を掴みお茶をした。
それからもフィッシュとお兄様とは会うけど
目が合ってもスッとそらされ
話しかけてもたわいない返事
私を『お嬢様』としか呼ばなくなり
どこか、他人事のようで悲しくなっていた。
アネットもリシュファも、レオン王子も
2人の変化に気付いてはいたけど
何も出来ず2人のことだと話には出さないまま
目まぐるしい日々と忙しさで
2年間の学園生活は終わり卒業式となった。
「今日は、男子生徒による騎士試験の模擬戦だわ。」
アネットと一緒に模擬戦会場に行くと
色んな生徒が声援の声に会場が熱くなっていた。
「すっごい、歓声だわ。」
ランネルもその迫力にゴクッと喉を鳴らす。
リシュファ、レオン王子、フィッシュの3人と
別生徒が決勝に残り
リシュファと別生徒は、リシュファの勝ちとなり
フィッシュとレオン王子の模擬戦が始まった。
フィッシュの剣技久しぶりに見るなぁと
見ていると昔より剣の切れも
身軽さも魔法も綺麗で見入っていた。
「ランネル様?」
ランネルの顔見るとフッと笑って
「私は、これからもきっと、フィッシュ様を
好きでいる気持ちは変わりません。
でも、ランネル様。
ご自身のお気持ちを大切にしてください。」
アネットに言われて胸がドキっとした。
「自分に正直に…。」
アネットが頷くとランネルが息を吸って
「フィッシュ!負けないで!!!」
会場の熱気の歓声が静まることはないが
ランネルの声だけ周りにかき消されて聞こえ
フィッシュの曇った顔が輝き
「レオン王子殿下、申し訳ありません。
勝たせていただきます。」
フィッシュの本気の解放に周りがざわつくほどの
覇気にレオン王子もニッと笑い両者本気同士の
戦いは、剣がぶつかり、魔法が飛び交い
最後に、決着がつきフィッシュが勝ちを得た。
「レオン王子殿下、ありがとうございました。」
手を差し出すフィッシュに
「次は、負けない。彼女の為にねっ。」
「いえ、俺も渡す気ないので。」
あれ?試合終わってるよね?なんで二人して
すんごい覇気出してぶつかってんだろ?
アネットは、くすくす笑ってるし。
お兄様とフィッシュの戦いは時間切れになり
負け無しのあいこになってました。
ー私も薬学試験に合格しー
ー卒業と言う日にー
「ランネル様!」
「わっ!アネット様、如何されましたか?」
息を切らして走って来た
アネットの手には一輪の赤い薔薇が。
卒業式に男性が想い人に
薔薇を贈る行事があるのだ。
「まあ!公爵家のハーリー卿からですか?」
真っ赤な顔でアネットが話す。
「ずっと3年間お慕いしていましたと。」
「よかったですわね!」
キャーキャーと手を取り喜ぶ二人。
カツンカツンと靴音が鳴り
ランネルの足元で止まった。
「卒業だね!フィッシュ!」
笑顔をフィッシュに向けると
お辞儀をしてランネルを見つめながら
スッと赤い薔薇をランネルの前に差し出し
「好きです。」
あの時のような短い台詞だった。
アネットを見ると気にしないでと
笑って伝えてくれて
好きかは分からないけど
フィッシュと一緒に居たい気持ちには
嘘がなくて、手が薔薇に触れ
「まだ、好きかはまだ分からないけど
フィッシュと一緒に居たいから受け取るわ。」
恥ずかしそうにランネルが薔薇を受け取ると
周りにいた卒業生が、大歓喜し拍手喝采で
顔から火が出るほど恥ずかしくて俯いてると
ランネルを手を引き寄せて
フィッシュは、私の体を強く抱き締めた。
「キャッ!」
「絶対離しませんし、好きにさせます。」
皆の前で公言してまたもや阿鼻叫喚の
歓声が、凄くアネットも何故か
キャーキャーと喜んでいたけど
まだ、付き合うとかじゃないんだけどなとか
色々考えてるとリシュファが婚約者を連れて
「フィッシュ、お父様は絶対許さないぞ。」
「リシュファ様、覚悟の上です。」
ニッと私を抱きしめながら笑う
フィッシュに流石に恥ずかしくなり
「離して!」
グイグイ押すのに離してくれず
フワッと体が浮いてランネルを抱き抱え
懐かしい金木犀がランネルを包み
「皆様、ごきげんよう。」
「ちょっと!フィッシュ!降ろして!!」
「絶対に離しません。ランネル覚悟してね。」
「ッツ!!!」
耳元で囁きながら学校を後にされ
ランネルの顔が真っ赤になりながら
どこに連れて行かれるのやらと。
恋もさることながら
ランネルとフィッシュは果たして?
2人を見つめる視線の先の人とは?
ー完ー
第2章 ミッシェル王都魔法学校編は最終回になります。
少しまた物語を練り直して次のお話を書いてみたいと思います。
題名が変わるため新しい小説を建てるので
是非お楽しみをᐕ)ノ




