友と恋心と嵐の夜
アネットの想い人とは?
課外授業最終日の中色んな想いが動き始める。
第2章 第5話始まります。
昨夜、フィッシュになんで
頭を撫でられたんだろうと考えてたら
今朝もやっぱり早く目が覚めた。
課外授業最終日。
今日課題を終わらせたら明日の朝学校に戻って寮に帰る。
テントの外に出ると雨が降り出しそうな黒い雲が。
「今日は、アンラッキーな空模様。
置き手紙したから、少し散歩でもしょうかな。」
昨日渡しそびれた、レオン王子殿下の薬を
会えるかは分からないけど、一応ポケットに入れて
ランネルは森へ散歩に出かけた。
散歩してると綺麗な花畑を見つけ
最終日だからご褒美かな?なんて花をつんでいると
「おはよう。ランネル嬢、今朝も早起きだね。」
レオン王子殿下から挨拶をしてくれて
唖然としながらも、ランネルは慌てて挨拶をした。
「お、お、おはようございます!殿下!」
深くお辞儀をすると、レオン王子殿下に
何故か笑われて恥ずかしさで俯いてると
「くっく…。いや、面白くて…」
「笑うところって、ありましたか?」
不思議そうにランネルが言うと
レオン王子殿下は首を振ってた。
あっ!と、思い出した薬の容器をポケットから出すと
「殿下に、昨日渡そうと思ってたんですが。
あ、でも王族の人は確か
専用の薬じゃなきゃダメだった気が…」
薬をポケットに直そうとすると
レオン殿下がパッとランネルの
手から容器を手に取って
「昨日の薬草から作ってくれたなら、使うよ。」
「え、でも大丈夫でしょうか?」
焦るランネルに微笑みだけで返されて
ランネルは、手を引っ込めて
効能についての、説明をして渡した。
レオン王子殿下の印象ってドライ?
ドライじゃなくて、話しかけにくい的な
イメージに思ってたらすっごい
フレンドリー王子様だよね?
ランネルが考えてるとレオン殿下が
「顔に似合わずよく喋るなって思った?」
「いえ、そんなことこはないです!」
「やっぱり、顔に出てる。あははっ。」
あ、ランネル牢に入れられるのかな?
なんて冷や汗ダラダラかいてると
顔にポツンと冷たい雫が。
「冷たっ。」
雨が降り始めた。
「ランネル嬢、失礼を許してください。」
レオン王子殿下がジャケットを脱いで
私の頭を濡らさないように
ジャケットを掛けてくれると
「濡れてしまうから、走るよ。」
「ひゃっあ!」
ランネルはレオン王子殿下に抱き抱えられて
森を走る姿の顔をチラッと見ると
やっぱり絵本に、出てくる妖精の王子様に
似てる。なんて考えてると大きな落雷の音がし
「きゃあああ!」
レオン王子の首元をぎゅっと掴んでしまって
どうしょうと思ってると
「大丈夫。落雷落ちないように
防御結界貼ってあるから、しっかり掴って。」
レオン王子の見る先はテント場所。
その走る速さもだけど、風に乗って走る感覚が
ランネルは心地よかったのだ。
「ランネル嬢、着いたよ。」
テント広場に着くとソッと降ろしてくれた。
「体冷やさないようにね。
今朝も、楽しかった。ありがとうランネル嬢。」
「あ、ありがとうございます!
あの、ジャケットお返しします。」
ランネルがジャケットを渡そうとした。
大きなジャケットから金木犀の香りが。
「テントまで被って。濡れてはいけないから。」
スタスタと男子用のテントに歩いて行った。
雨が降る中、キュッとジャケットを握ると
ランネルもテントの中に入り体を拭いた。
ジャケットを乾かそうとバサバサと雫を落とすと
フワッと香る金木犀の香り、懐かしい匂い、
安心する匂いにぼんやりしてると
「ランネル様おはようございます。」
アネットが声をかけて慌ててジャケットを
咄嗟に後ろに隠した。
「ランネル様は、殿方からモテますわね。」
アネットに、笑われて言われたが
「ち、違うよ!今朝もたまたま会って
雨が降ったから貸してもらっただけですの。」
「本当ですの?」
「あっ!そろそろ朝ごはん用意する時間だわ!」
ランネルがテントから出ると
雨がだんだん強くなり朝食後
先生から今日の、最終課題は待機に。
昼になっても、雨が止まず嵐のように降る雨に
泥濘や、森の崖があるため危険と
先生たちが決めて明日朝に課題をすることに。
「今日、帰れないんだって」
「やっと帰れると思ってたのに。」
班の子も課外授業で疲れたんだろうなと
思ってるとカップに紅茶を入れて
ランネルに渡しアネットが隣に座った。
「残念でしたわね。でも、楽しみが
一日伸びただけで、明日は明日って感じですわね。」
紅茶を飲むアネット。
「うん。皆、多分疲れたんだと思うわ。」
たわいない話をする中でアネットが
「ランネル様想い人はいらっしゃらないのですか?」
突然アネットに言われて紅茶を吹き出した。
「びっくりしたわ。想い人は居ないけど
会ってみたい人は居るかな?
好きとかじゃないんだけど。」
カップをグッと握りしめるアンネット。
「そうなんですね。それは、フィッシュ様とか?」
「へっ?なんでフィッシュが出てくるの?」
笑うランネルにアネットが
「二人のことを、見てたら
想いあってるのかなと思ってしまって。」
「フィッシュは、幼なじみだし
もう1人のお兄様、家族みたいな存在だよ。」
微笑むランネルに
自分の嫉妬に胸が締め付けられたアネット。
「じゃあ、フィッシュ様がもし
ランネル様をお慕いしていらしても...?」
「ないない!フィッシュが私を
好きなんかないよ!」
「私が、想い人だったら
ランネル様は応援してくださいますか?」
びっくりしてアネットを見るランネル。
「フィッシュの事好きだったの!」
声が大きくなるランネルの口を押さえて
「ランネル様!声が大きいですわ!」
フィッシュもリシュファお兄様と一緒で
モテるんだなぁ。アネットが恋をしてることに
驚いたけど自分はいつかは恋するのかな?
なんて考えていた。
「絶対秘密にしてくださいね!」
「うん!」
夕飯時になり雨が少し弱まってきてはいた。
明日晴れるかな?なんて考え事をしながら
野菜を切ってるとザクッ!
「いったあ!」
指を切ってしまったランネル。
水で流そうとした時パッと手を掴まれて
隣を見るとフィッシュが私の手を掴んでいた。
「ランネルお嬢様、考え事しながら
包丁は持たないでください。」
「ごめんなさい。」
綺麗な水で洗ってくれて
昨日あげた薬を塗ってくれて
包帯で綺麗に手当をしてくれた。
「痛みますか?」
「少しだけ。」
「深く切ってなくてよかったです。」
救急箱の片付けをしてるフィッシュに
「いつも、ありがとう。フィッシュ。」
「いえ、これくらい大丈夫です。」
微笑んだランネルにフィッシュが立ち上がると
ランネルの頬に手が触れた。
ガサッ。何かの音にハッとして見てみると
アネットが立っていて
「あ、遅いので様子を見に来て…。」
バッと立ち去るアネットを見て勘違いさせたと
ランネルが追いかけた。
後ろからフィッシュが私の名を呼んでいたが
アネットが心配で森に入るアネットに
「アネット様!夜の森は危ないです!」
声も虚しくアネットが奥へ奥へと進み
追いつくとアネットの後ろが森の崖と
暗がりでも何となく気付いた。
「ライト!」
光魔法でアネットを照らすとアネットが
「来ないでください!フィッシュ様はやっぱり
貴女を…。ランネル様をお慕いして…。」
雨で濡れ悲しみで涙に濡れるアネットを見て
「アネット様の気持ちは必ず
フィッシュに届くはず。
だから、自分を責めないでください!」
手を差し伸べて少しずつアネットに近付くが
アネットは手を引っ込め首を左右に振る。
「私の気持ちなんか、フィッシュ様に届かない!
届かないならもう生きている意味も
苦しみもないのだから。」
「さようなら。」
フッとアネットが背中から森の崖に落ちた。
「アネット様!!」
アネットの手をグッと掴むランネル。
雨で手が滑りズルズル手が落ちそうになったが
ランネルは絶対に離すもんかとアネットの手を
掴み続けて
「失っていい命なんか一つもない!
伝わらないからって諦めるってそんなことない!」
アネットに怒りながら踏ん張るランネルに
「もう離してランネル様!」
「絶対離さない!アネットが悲しいのに
この手を絶対に絶対に、離すもんですか!」
自分の体が森の崖に吸い込まれそうに
ズルズルと体が前に押し出されて
「誰かあああ!!」
ランネルが渾身の叫び声に
パシッとアネットの手を握る
手に隣を見ると
「フィッシュ!」
「間一髪って所ですか?」
少し笑うランネル。
「ランネル様もフィッシュ様も落ちてしまいますわ!」
「話は、助かってから聞きますから!」
「「せーの!!!」」
フィッシュと力を合わせてアネットを救出すると
ランネルの体がフワッと浮いて
アネットを突き飛すと、そこから足場が崩れて
ランネルは森の崖の底へ落ちていった。
「ランネル様!!」
アネットが暗闇で叫んでる声が聞こえた
友達をアネットを助けられたてと思ったら
ランネルはソッと目を閉じた。
「ランネル様!!!」
誰かが呼んでると思って目を開けると
フィッシュが私を抱きしめ頭を手で支え
自分の体を下にして地面に落ちた。
少し気を失ってしまっていたのかと
気が付くと周りは真っ暗、何も聞こえない
何も見えない。
「私、落ちた?!」
バッと起き上がると右足に激痛が走り
「ううっ...いっ...」
暗くて何も見えない明かりの魔法を唱えた。
「ライトンド!」
フワッと光が周りを照らすと
フィッシュが隣で倒れていた。
「フィッシュ!!」
体を揺するが目を覚まさない。
パニックになりかけの自分だったが
自分を守ってくれたんだからと涙をグッと堪えて
フィッシュに怪我がないか確かめた。
「フィッシュ、息してる!よかった...。
土がぬかるんでて、クッションになってたんだ。
全身打撲と脳震盪で気を失ってる…。」
『森の精霊たち 癒せこの歌』
ランネルが目をつぶり精霊の力で
フィッシュの体に手を置いて見えない傷を
痛みが消えますようにと祈った。
「とりあえずこれでよしかな?」
自分の足首を見ると腫れに腫れてる。
骨折は治せないから痛みだけ回復魔法を唱えた。
「うぅっ...。」
フィッシュの声が聞こえてホッとしたが
雨がまた強くなり
体がだんだんと冷えて寒くなってきた。
着ていたジャケットを脱いでフィッシュの
顔にかけて濡れないように守った。
「明日には、救援来るはず。」
「グルルッ!!」
「魔物?」
ランネルがライトの魔法を増やすと見たことない
狼の魔物の群れに
「今、課題とか、ありえなくない?!」
と言いつつも、フィッシュを守らなきゃ
目が覚めるまで守ればいいと
「防御結界、一人だけだけど迷う必要なんかない。
守りたい人を全力で守るのが私よ!」
痛い足を踏ん張り立ち上がり
フィッシュを背にし水魔法で
フィッシュに防御結界を作り
「さあ、悪いオオカミさんたち
私が相手になりましてよ!」
ガウウと飛びかかるオオカミの群れに
ランネルは一人で
フィッシュを守ろうと戦っていた。
「ハァハァッ ... 雨で濡れすぎて体が寒い。
魔物全然、減らないし。」
体が震えて指の感覚もない。
魔力の限界が近付いて目の前がふらつく。
でも、泣き言なんか言ってたら
フィッシュも自分も死んでしまう。
「これが、最後の力...」
魔力切れなりランネルの視界が…。
フィッシュごめんなさい守りきれなくて。
目の前がぼやけて暗くなる
魔物が向かって来てる、みんなごめんなさい。
「ランネル様!!」
ガシッとランネルの体を支えて
フィッシュがソッと私を寝かせると
「すみません。遅くなりました!」
小さく笑うと私の意識は消えた。
「み、お...水 ...。」
小さな声でランネルが言うと
「ランネル様、お水です。」
水と何かが体に染み渡りコクコクと喉を通った。
フィッシュが口移しで水を飲ませて
無意識にフィッシュの首に力無く手の腕を絡めて
「ランネル様、もう少し飲みますか?」
小さく頷くとまた口移しでフィッシュの
唇が重なるとまた意識がなくなり眠った。
「んん...ッ。」
パチパチっと何かが弾く音に目が覚めた。
背中に焚き火の暖かさと体が何故か暖かい。
目を開けるとぼんやりな視界の中
肌色が目の前にあってソッと触れると暖かい。
顔を上げるとフィッシュの顔が。
フィッシュは眠っててまつ毛が長いんだなとか
髪が濡れてオールバックになってて
いつもと違う 。
抱きしめられたままの状況なんだとは
ぼんやりした頭では分かっていたが
自分の体を見てみるとショーツ以外裸で
今にも叫びたくなるほどだったが声が出ず
フィッシュの体を引き離そうと力無く押した。
「んっ...?ランネル様?」
寝ぼけながらギュっとまた
フィッシュに抱きしめられた。
羞恥心ともうお嫁に行けないとか
アネットに誤解されてしまうなんてことを
走馬灯のように考えてるとフィッシュが
私をの顔見て
「ランネル様!気が付きましたか?」
頷くランネル。
パッとフィッシュが手を離そうとしたが
念話で声が出ないこと
今離れたらお父様に裸の件話すと言うと
絶対に離しません!と念話が返ってきた。
フィッシュに喉が渇いたと念話で話すと
「飲めますか?俺、目をつぶってますから」
水筒をランネルに渡して起き上がろうとしたが
視界がまだ揺れて倒れそうになると
フィッシュが目をつぶったまま
抱き抱えてくれてソッと寝かせてくれると
ギュッとまた肌が密着した。
フィッシュが目をつぶりながら水筒に
口をつけると、フィッシュの唇が触れた。
念話で
『フィッシュ!?何してるの?!』
と言うが
フィッシュは何も言わずに
ただ目をつぶったまま私に水を飲ませてくれた。
飲み終わっても何も言わず黙ったまま
抱きしめられてフィッシュの心の臓が
少し早くなって聞こえた。
フィッシュが私の髪を触り頬に手が触れ
「好きです。」
彼の唇が重なった嵐の夜。
ランネル自身まだ恋心が芽生えてなく
読者からしたら悪女って思われるかもですが
ランネルは誰かを好きになることにまだ
何か隠してると思っていただけたらなと。
長文小説になりました。
次回、フィッシュ編です!




