朝霧の笑顔
課外授業2日目の朝、森に一人で入るランネル
後を追うように来た人とは?
ちょっとずつ動き出す恋模様のお話。
第2章 第4話始まります。
課外授業2日目の日が登り始めた頃
ランネルは早く目が覚めて周りを見ると
まだ皆、寝ていた。
朝に散歩と傷や毒とかに効く薬になる薬草と
朝のスープ用の野草とキノコでも探しに行こうかなと
制服に着替えテントを出ると朝焼けの光に朝霧が
霞んで森一面がキラキラと輝いていた。
「んーっ!いつもなら、絶対起きない時間に
起きれるってやっぱ森の空気のおかげかな?」
魔法で水を出して顔を洗い歯を磨いて
テントから遠くない森に入り薬草たちを探した。
「わぁーこの花なかなか見ない花だわ!
わっ!これ、回復薬にいいポレンダだわ!
あーずっと、森に住みたいな。」
歌を歌うように口が開き無意識の中
森全てがランネルを待ってたかのような
そんな気分になっていた。
上機嫌で森の宝物を探すように
薬草や花きのこ木の実を取ってると
ガサッ。
「誰?」
ランネルは魔物かと、小型ナイフの鞘に手をかけた。
「森から声が聞こえて。」
レオン殿下が目の前にいた。朝焼けに光ってて
森の妖精のように見えた。
ハッとして、ランネルは立ち上がるとお辞儀をして
「おはようございます。殿下!」
「おはよう。何してたの?」
ランネルが手に持ってる籠を見て
不思議そうに見ていた。ランネルが
「切り傷に、塗る薬草のパセン、
魔物に毒を浴びた時ように、解毒作用のあるパパリ…」
沢山の薬草や野草、花やきのこや木の実の名を
聞いてレオン王子は目を丸くして
「君、薬学部?」
「いえ、独学です。」
「凄い。これだけの知識を独学で。」
「あ、殿下がよければ、ランネルとお呼びください。」
ニッコリ微笑むランネルの笑顔が
あの時見た夢の人のように見えて
レオン王子の心の臓がドクンッと鳴った。
レオン王子がパッと下を向いて顔を逸らした。
ランネルはよく分からずキョトンとしてると
森の茂みからフィッシュとアンネットが走って来て
「ランネル様!どこに行ってたんですか?」
アネットが駆け寄り
フィッシュがチラッとレオン王子を睨んだ。
「あーごめんね。朝なんか早く目が覚めて
森で色々と、薬草とか食べる物探してたら
夢中になって。」
「ランネルお嬢様!
一人で出かけないでください。
どこに魔物が出るか分からないんですよ!」
フィッシュが珍しく声を上げて怒った。
ランネルが笑って誤魔化そうとしたら
「笑い事じゃないんです。」
フィッシュの不安そうな顔を見て
「二人とも勝手にごめんなさい。」
ランネルから笑顔が消えて俯いてると
レオン王子が
「私が一緒だったから何かあれば
ランネル嬢は、お守りしてこちらで対処します。
急に居なくなるのは確かに悪いかもだが
彼女なりに人の役に立てばと
行動することが悪いことなのでしょうか?」
レオン王子が私を見て言ってくれて
びっくりした。
「では、私はこれで。
ランネル嬢いろいろと私に教えてくれて
いい勉強になりました。
是非また教えてくださいね。」
フワッと笑い軽くお辞儀をされ
テントに戻って行ったレオン王子。
残された三人の空気が重くなってアネットが
「さあ、そろそろ朝ごはんの準備があるから
ランネル様もフィッシュ様もテントに戻りましょ?」
アネットに連れられテントに戻り皆に
心配かけたことを謝り
朝ごはんを作って食べランネルは一人で
テントに戻った。
「ランネル様?」
ぼんやりしてるランネルを見たアネットが
テントを覗きに来て話を聞いてくれた。
「森を見ると、森の中に夢中になるってのかな?
何故かそこでずっと暮らしてた感覚になって
小さい時もよく家の裏の森に入ったら
なかなか帰って来なくて、お父様やジュナや
リシュファお兄様が探しに来てくれて
よく注意されてたのに。」
膝をかかえて俯くランネルを見てアネットが
「朝ランネル様が居ないって私が話したら
フィッシュ様が森に走って。
ランネル様のことが、すっごく心配したから
あんな風に言ってしまったのではないかしら?」
ランネルに優しく話すアネットの言葉に
体が震えて泣いてしまった。
「フィッシュ様も多分ですが
妹のようにランネル様が
大切だからだと私は思いますわ。」
顔を上げてアネットを見上げると
「ごめんなさい。アネットにも心配かけて。」
「いいえ。無事でよかったわ。」
優しいアネットが友人でよかったとランネルは
アネットも大切な人だから
次は心配かけないようにと思った。
「フィッシュにも謝らないと。」
「そうですわね。」
クスッとお互い見て笑うとランネルが
「そうだ。男子の班にも
傷薬とか作る予定だったから、余ったら
フィッシュ用の薬にして渡して謝ろうかな?」
「いいですわね!何かお手伝いしますわ。」
アネットに薬草の見分け方や仕分けを教えたり
いろいろ手伝ってくれて予定より早く色んな
薬ができ
「ありがとう!アネットのおかげで早く薬ができたわ!」
「いいえ。ランネル様の薬学の知識には、
ビックリしましたわ。こちらこそよい
勉強なり楽しかったですわ。」
「よし、詰め作業も終わったわ!」
「これで、おしまいなのですか?」
アネットが薬を入れた容器を見て
ランネルが首を振ると手の指を祈りのようにし
ランネルの体がポウッと薄緑に光ると
『森の精霊達よ、私達の傷を癒せ』
容器がパッと光るとスーッと容器に消えた。
アネットがびっくりして
「今の言葉は、精霊語ですか?」
「内緒だよ。アネットにしか見せてないから。」
恥ずかしそうにケースの蓋を閉めて
アネットに1つ薬を渡した。
「班の皆に渡せたわ。」
「フィッシュ様と、あら?もう2つは?」
「リシュファお兄様とレオン殿下に。
レオン殿下に朝庇ってもらってしまったし。」
照れくさそうに笑うランネルを見て
アネットは少し複雑な気持ちになっていた。
ランネルは渡してくるといい走って行った。
「ランネル様を叱りつけてしまった。」
木の枝を探してるフィッシュがブツブツと
独り言のように話してると
「フィッシュ!」
パタパタと森から走って来るランネルを見て
「どうしましたか?魔物でましたか?」
首を振るランネル。
「あのね、朝心配かけてごめんなさい。」
頭を下げるランネルにびっくりしたフィッシュが
「俺こそ、怒鳴ってしまいすみませんでした。」
謝るフィッシュの手を掴んで
「はい!これ、私が作った秘伝の
切り傷とか、少しの毒とかにも効く塗り薬!」
ランネルの手が触れて
顔が真っ赤になるフィッシュ。
「お兄様にも届けてくるからまた後でね!」
また走って森を駆け抜けるランネルを見て
「ッ……反則だろ…。」
片手で持ってた枝がバラバラと落ち
フィッシュはペタンと腰が抜けて
顔が真っ赤になっていた。
森の木の影にはアネットが
佇んで居ることも知らずに。
「リシュファお兄様!」
森から出てテント広場に居たリシュファに
声をかけてバッと抱きついて顔あげると
「おはようランネル。」
頭をなでなでしてランネルを見る。
「あのね、コレ作ったからあげる!」
薬をリシュファに渡すと
「秘伝の薬?ランネルの薬は
よく効くから嬉しいよ。ありがとう。」
「えへへ。切り傷と魔物のちょっとした
毒に少し効くようにしたりしてるから
お守りにしてね!」
その兄と妹の美しい光景に
周りの生徒は分かって居ても
朝に舞い降りた天使の光景にしか見えなく
ランネルとリシュファを見て生徒から
色んな声が飛び交い凄かった。
「一学年全員、集合!」
先生が集まるようにと声をかけ
「今日の課題を発表する。各班2名ずつで
森の探索を行い低魔術を放つので
倒した魔物の耳を必ず持ち帰るように。
時間は2時間。2名ずつの名前を発表する。」
先生が発表し終わり何故なんだと
ランネルは、項垂れた。
「おい!お前、俺様を守れよ!」
「は?」
つい心の声が出てしまいサウザン王子と
まさかのツーペアになり愕然となった
アネットとフィッシュが
「ランネルお嬢様の色んな意味で身を案じて
俺がこいつ森に捨ててきます。ご命令を。」
「ランネル様、フィッシュ様と変わりますわ!」
二人が優しすぎて涙が出そうになったけど
ランネルは首を振り
「課題項目だもん。勝手に変えたりして
フィッシュもアネット様が減点にでもなったら嫌だわ。」
それもそうなんだけどと言いつつ時間になり
森に入ったランネル。低魔術が何体か出ても
サウザン王子は逃げるばかりでほとんどが
私が狩り尽くした。
「ふん。逃げなかったことだけは褒めてやる!」
帰って来てランネルに言った言葉に
フィッシュがブチ切れかけたのを
皆が止めることになり、ランネルは
今日は疲れたなと思って夕飯何作ろうかと
キッチンに行くと野うさぎの肉が解体されて
「フィッシュが狩ってくれたの?」
「はい。今日は皆、森で魔物を倒したりで
疲れたと思って。」
「お肉は疲労回復にもいいから助かる!
ありがとうフィッシュ。」
微笑み笑うランネルを見て釣られて頬が緩む
フィッシュ。
「森の恵と命に感謝します」
野うさぎの肉に祈りを捧げるランネルの姿に
誰にもできないことを自然と出来るランネルの
健気な気持ちがまた愛おしさが増すのだった。
「さて、皆疲れてるから
今日は煮込み料理にしましょ!」
野菜などは自由に使えるようになっていて
フィッシュや班の皆も手伝ってくれて
予定通りに夕食の時間になり
「できたわ!ランネル様特性
野うさぎのトマト煮込みシチュー!」
皆の前でシチューをお皿によそうと
「さあ、お祈りをして食べましょ。」
ランネルがお祈りをしようとした時
サウザン王子が先に食べようとして
フィッシュにスプーンを取り上げられていた。
「森の命に感謝して。
私たちの力となりてアーメン。」
「「「アーメン。」」」
どうかな?どうかな?
と皆の反応を待ってるランネルに
「まあ、臭みがなくて柔らかくて美味しいですわ!」
アネットが頬に手を置いて笑顔が弾け
「ランネル様は何でも出来ますね!」
「あの!おかわりってありますか?」
「まあ、食べれなくもない味だな。」
サウザン王子が言うとフィッシュが
「じゃあ、食べなくていいですよ。王子様。」
サウザン王子の皿を取り上げると
「美味しい。」
素直じゃないサウザン王子を見て皆が
笑って楽しい夕飯に自分も食べてみると
「我ながらよく出来てよかったわ。」
隣にフィッシュが座ってランネルに
「ランネルお嬢様の料理を頂けて幸せです。」
今日は叱られて褒められて
何だか心がムズムズしたランネル。
「ジュナとね、野営のメニューとか教えてくれて。」
笑うランネルにフィッシュが
「ランネル様はいつも、周りを見てらっしゃいます。
努力してるんだなと。
でも一人で無理はしないでください。
皆が居るとランネル様が言ったように。」
頷くランネルに
フィッシュがランネルの頭をポンポンと撫でた。
「お皿、片付けてきますね。」
フィッシュが立ち上がり皆と
後片付けに行くとランネルの顔が火照っていた。
「フィッシュに頭撫でられた…。」
その姿をジッと二人を見ていたアネットは
スっと後片付けに戻った。
今日の課題も終わり早々と皆は眠りにつき
交代で火の番をしたりして
2日目が終わりましたとさ。
フィッシュ編はあと1話後に書けたらと。
読んでいただきありがとうございます!




