歓迎会
双子の兄リシュファと双子の妹ランネルが
ミッシェル王都魔法学校の
宿舎に向い互いの寮の部屋に。
明日の入学式を前に新入生の歓迎パーティーが
模様されることになったのだがそこで
ちょっとした騒動に巻き込まれるランネル。
リシュファ、ランネル、フィッシュの三人の
第2章の物語が今、幕を開ける。
第1話始まります。
双子の兄妹が「王都魔法学」の寮に向けて馬車で走ること半日。寮の玄関前に、馬車が止まると、馬車の扉を開をフィッシュ開けると、寮の入口で侍女と従者が整列し、二人が馬車から下りると一礼し、後ろから順に、荷物を部屋まで運び、部屋の準備を整えに行った。それまでの間、専用サロンでランネルとリシュファは、お茶を飲んで座って待っていた。フィッシュが左手を胸に軽く添えると軽くお辞儀をして声をかけた。
「リシュファ様、ランネルお嬢様、お部屋の準備が整いました。」
呼びに来たフィッシュに、ランネルが走りフィッシュの手を握った。
「フィッシュ!いつもありがとう!」
にっこり微笑むランネルの眩しい笑顔に、ピクッと体が反応してしまい、絶対に顔に出すなと父、サリーから釘を刺されたが、体が反射的に反応してしまった。
(ランネル様の天使の微笑み·····俺もまだまだ修行が足らない·····)
フィッシュの心の声を感知したのかリシュファが、小さなため息をつきながら、カップをソーサーにカチャッと置いてランネルに
「ランネル、ここは家じゃないんだから淑女は、男性にむやみに触れたらダメだなんだよ」
「え?そうなの?お兄様、フィッシュ?」
びっくりした顔しながらフィッシュの手を離した。
「ランネルお嬢様、本日から寮生活が始まります。従者は従者と。特に未婚の女性がむやみに男性や、他の婚約者様のお身体にも触れないよう、淑女として社交のマナーだと、覚えていただきますようにお願いします。」
「そうなのね·····」
残念って顔でフィッシュを、見上げるランネルの瞳を見ていると、フィッシュがまた体が動いた。
「ランネル、フィッシュが困ってるから、そろそろ自分の部屋見に行こうか?」
ランネルの頭をぽんぽんと触ると、リシュファの腕に絡みついて、笑顔が弾けた。
「どんなお部屋か楽しみ!」
女子寮の近くまで、ランネルを送りその先は、男子禁制で男性従者も入れない規則になってる為、途中から護衛、メイド付きのジュナと、ロゼの二人に引きついで、ランネルは、特別室に入った。
「わあ!凄い素敵なお部屋!ジュナ、私の好きなクマのぬいぐるみに、ウサギさんに、猫のぬいぐるみまで!部屋の壁紙の色も淡いグリーンのお部屋で、私の部屋の家具のままだわ!」
喜ぶランネルにジュナが、ランネルにお辞儀をした。
「それは、とてもよかったですわ。旦那様が、リシュファ様とランネルお嬢様が、リラックス出来るようなお部屋にと。気に入って頂けたなら、私たちも旦那様も嬉しい限りでございます。」
ランネルが椅子に腰を下ろし座る。
「今日から、3年間·····お父様やお母様と離れて暮らすのですね…。」
笑顔が急に、曇りはじめ、ランネルが泣きそうな顔になっていた。
「ランネルお嬢様、私も、リシュファ様も居ます。お寂しいようなら旦那様や奥様に、お手紙をお書きになるのもよろしいのではないでしょうか?」
「そうね!お父様やお母様に、お手紙を書いたらお返事も来るものね」
グッと、涙を堪えたランネル。部屋のドアが鳴り、ジュナが対応して話していると
「ランネルお嬢様、寮長からお話があると。」
「お部屋に案内を。」
「畏まりました。」
応接室のソファーに腰を下ろし、ランネルが待っているとコンコン。扉が開くと眼鏡をかけて、後ろ髪はお団子ヘアーにまとめ髪にした綺麗な女性が、応接室の中に入るとカーテシーをしながら、ランネルに挨拶をした。
「ランネル様、お初にお目にかかります。私、女子寮の監督、寮長を任されている、ミカエル・ロドルトと申します。何かごようの際はミカエルか、ランネル様の侍女にお申し付けを。本日夜にて、新入生による囁かな、歓迎パーティーがございます。ドレスコードにはなりますが形式的なパーティではございませんの、在校生からの入学のお祝いだと思ってご参加いただけたらと」
ミカエル先生の挨拶が終わり、ランネルがスっと立ち上がりカーテシーをしながら
「初めましてミカエル先生、ランネル・ロイヤルと申します。素敵なお部屋をご準備いただきありがとうございした。とても過ごしやすいお部屋に感動しました。
まだ、慣れずに至らない部分もございますが、どうぞ本日から、3年間よろしくお願いします。新入生歓迎パーティの件、是非参加させていただきます」
挨拶が終わり部屋の扉が閉まると、ランネルが嫌そうな顔をしてジュナに
「ジュナ!パーティー行きたくないっ!」
ランネルは極度の人見知りで、パーティーなどの集まりの場に顔出すのが大の苦手で顔を顰めながらジュナを見ていた。
「ランネルお嬢様もうすぐ、お誕生日の後、リシュファ様と社交デビューなされます。今のうち学園での、パーティーなどに、ご参加されてなれることも淑女としての、一歩でございますよ」
椅子に座りながら足を伸ばしてため息をつくランネル。
本棚に目が止まり好きな本を見つけて、ソファーから立ち上がると一冊手に取った。
「ジュナ、もう少しだけ時間があるなら、気持ち切り替える為に、この本読んでいいかな?」
お願いの眼差しをジュナに向けると、ジュナがよろめきながらランネルに答えた。
「ええ、大丈夫ですよ。ランネルお嬢様。」
(アイリシア様の天使の微笑みを、受け継いでいるからか、その笑顔に危うく口から血を吐き出して死ぬところだったわ·····ランネルお嬢様の天使の微笑みで3年間悩殺され続けるとか·····まさに、ご褒美!)
ランネルの、弾ける笑顔は誰もが骨抜きになる"天使の微笑み"を受け継いだのは、言うまでもなくランネルの母、アイリシアの影響を諸に受け継いでいて、その可愛らしさの中に魅了する天使の笑顔に、男女問わずランネルを好きになってしまうのだ。
ー歓迎パーティーの夜ー
「ジュナ、これでいいのかな?」
鏡の前でランネルがソワソワしている。ランネルの好きな淡いグリーンのドレス。胸元があいてない作りで首元には薄い花柄のレース調の刺繍が施されていて、首の後ろには濃いグリーンのリボンが。下のドレスは、広がりが押さえられていて、動きやすい作りのシンプルなドレス。ドレスには刺繍の花や、スパンコールなどが散りばめられて髪の毛は結ばずあえて、そのままの下ろした髪型に。カチューシャには蝶の装飾品、花のピアスに、ランネルにとても馴染んだドレスコードに。
「ランネルお嬢様様、とても似合ってますよ。」
「そうかな?」
不安な顔してるとロゼが部屋に入り、ジュナに耳打ちをした。
「ランネルお嬢様、お時間です。リシュファ様が廊下でお待ちでございます。パーティー会場までご一緒にと」
「リシュファお兄様が?それは、心強いわ!」
スっと椅子から立ち上がり部屋を出ると、廊下先にパーティー用の黒のタキシードを着たリシュファの姿を見つけて、駆け寄るランネル。
「お兄様!」
「ランネル、急ぐとドレスの裾踏んずつけて転ぶぞ」
リシュファに抱きつくランネルの頭を撫でる。
「さあ、行こうかランネル。」
「パーティーに、行きたくないです·····お兄様」
ギュッと腕を掴むランネルに
「大丈夫、何かあれば俺も、フィッシュもジュナもみんなランネルを守るから。」
チラッとリシュファの顔を見るランネルに優しく微笑むと、ランネルもニコッと笑いリシュファの腕に手を通すと、パーティー会場に向かった。
「わぁー、凄い人·····」
おずおずと、リシュファの後ろに隠れようとするランゼルに
「今日は堅苦しい挨拶もないから、好きにしたらいいんだよ。フィッシュ飲み物と食べ物をテラス席に」
「畏まりました。」
フィッシュが、二人から離れるとパーティー会場の外のテラス席にリシュファとランネルが座った。フィッシュが飲み物と食べるものを持って、テーブルにセッティングする。
「わあ!とても美味しそうですわ、お兄様!」
「そうだね。ランネル、頂こうか」
お祈りをしてからご飯を食べていると
「お食事中に失礼しますわ」
赤いドレスを着た女性がフィッシュに声をかけて、リシュファに挨拶していた。
「ランネル少し席を離れるね。すぐ戻るから」
「うん·····すぐ戻って来てね、お兄様」
リシュファは、女性とパーティー会場の中に。
「お兄様、女性から人気なのですね」
食事も終わり、テラスで紅茶を飲みながら、ランネルは楽しげに社交してる、リシュファを見てため息が漏れた。カチャとお皿がランネルの前に置かれると、ランネルの顔がパッと輝いた。
「フィッシュ!私の好きなショートケーキだわ!」
喜ぶランネルの姿を見て、ついいつもの癖で頬が勝手に緩むフィッシュ。
「ランネルお嬢様が、お好きなケーキをご用意できてよかったです」
手を胸に当て軽くお辞儀をした。ショートケーキを堪能してご機嫌なランネル。
突然、テラス席の扉がガチャっと開く音がした。
「おい!お前名は?」
パツパツの王族の衣装を着てクマのような体型で
目は小さく鼻も太く額には汗が滲み、身長も低く何故か息も荒々しく吐きながら、腰に手を当てて上から下にランネルの体を舐めるような目で見ていた光景に、フィッシュがイラッとしてそっと前に出た。
「これはこれは、マレー国 第二王子―― サウザン・ジョルジュ王子殿下。」
挨拶をするサリーの体をグイッと手でどかしテーブルをバンッと叩く音がし、ランネルがビクッと体が震えた。
「従者ごときが馴れ馴れしく、俺様に話かけるな!静止する権限がお前にあるのか?あ?」
ギロッとフィッシュを睨むが、フィッシュはビクともせず
「それは、大変失礼致しました。失礼ですがランネルお嬢様は、とても繊細なお方でございます。もう少し淑女の方には、優しくお話されて·····」
「黙れ!!うるさいっ!!!」
フィッシュの顔を平手打ちにして、フィッシュがテラスの壁に吹き飛び、騒ぎを聞き付けた生徒がテラスに集まる。会場の中の生徒たちがテラス席の中を、ジロジロ見ては、何事?かと話をしたりしていた。
それを見て、ランネルがスっと椅子から立ち上がりカーテシーをして、この王子にカーテシーをして、お辞儀をし顔を上げた。
「サウザン・ジョルジュ王子殿下、ご挨拶が遅れてしまい申し訳ございません。私の名前は、ランネル・ロイヤルと申します。従者の不手際こちらから、お詫びいたしますわ」
ランネルが謝るとニタニタしながら手を顎に置いて
「まあ、お前の可愛さに免じて今回は、許してやる。今から王族専用サロンに招いてやってもいいぞ」
初対面で挨拶もしないフィッシュを殴るとか、どんな王子だよとランネルは、苛立ちが募った。
「いえ、この席でお兄様を待っていますので」
やんわり断るランネルを見てサウザン王子がイラッとしながらつかつかとランネルに近付くと、ガッと手首を力づくで掴んだ。
「俺様が呼んだらすぐに来い!お前も俺に逆らうのか?」
乱暴に、ランネルの手首を引っ張る姿にフィッシュが耐えかねて、サウザン王子の腕を掴もうとした時、ランネルがバッと腕を振り払いサウザン王子に声を上げた。
「淑女のお身体に触れるとは何事ですか!いきなりご挨拶もなく、私の大切な従者に、手を挙げることが王族のすることなのですか?」
抗議をするランネルの姿に、フィッシュも見たことがなく驚いた顔をして、彼女の顔を見つめていた。女性にそんな態度をされたことも、抗議されたこともないサウザン王子が ハッと周りを見ると他の生徒が笑ってたり、言われてることに激昂し手を振りあげた。
「俺に盾つきやがって!」
ランネルが目をつぶり、慌ててフィッシュが止めようとした時、後ろからスっと手が伸びると、サウザン王子の手を掴んだ人影が立っていた。
「いい加減にやめろ。サウザン。」
低く冷たい声が、テラスに響いた。
ー続くー
こんにちわこんばんはᐕ)ノマロです。
昨日最終話の「変わらぬ愛を教えてくれた人」第1章は
無事完結しました。凄い嬉しいことに、多くの読者様からの閲覧数にびっくりして、それならと第2章も書いてみようかと思いました。
まだまだ表現力が足らない部分や、誤字脱字、漢字の変換ミスがあるかとは思いますが長い目で第2章もご愛読していただけたら嬉しいです。




