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魔王さまのベッド2


―森―



雨が強くなり雷が鳴る



ジ「くそ!」



まんまと策略にはまったことに苛立ちを感じたジンはジープを足で蹴った



K「流とも繋がらねぇ。多分、城に雷が落ちた」



Kは携帯を片手に運転しているが

城にも流にも繋がらないらしい。


ジ「ハツカ、無事でいてくれっ…」



城が見えてきた。

Kの言うとおり、雷が落ちたらしく城は真っ暗だった


嫌な予感がした。




□□□□□□□


―魔の部屋―





視界がはっきりした。

敵は猿種の魔獣だ。

ハツカのそばまで来ていた



流「ハツカ逃げろ!」



狙いはハツカだ。


しかし、

ハツカは逃げないで、敵に背を向け動けない流を抱きしめてきた。




流「っ、ハツカ!?」


ハ「…っ」



ハツカのカタカタと震えている震度が流に伝わってきた。

怖くないはずがない。なんでこんなことをしているのか



ハ「流さんをっ、…ひとり、にしたくなぃ..っ」



―このこの優しさは勇気に変わるんだ…





でもそんなことを言っている場合じゃない。



流「ハツカっ俺は、大丈夫。だから、」



流は脇腹が痛むのを堪えて立とうとした。

しかし脇腹から血が染みだしてきた。

どうやら脇腹に当たったものに刃がついていたらしい。



ハ「っ!」



血に驚いたハツカは

血が流れるのを止めようとする



『…ガキ、よこ、せ』



《ガッ

ハ「!?」




大きな手がハツカの腰を掴み、ハツカは魔獣に捕われてしまった。



流「ハツカっ!」


ハ「流さっ…!」


 『ウマ、そうなニオイ…』



ハ「は、なしてっ!」


『…はなすかよ』



きいたことのある声がした




《ヴィンッ

キ『やぁ、ハツカ。それに流』





その声がした途端、猿種の魔獣がハットをかぶった燕尾服の細身長身の男に変わった。



流「キール!!」



その男はハツカが住んでいた街を破壊した紅い翼を持つ男・堕天使キールだった。






ハ「ゃ、…や」




キールの顔を見た途端、村でのことを思い出したのか

ハツカの顔が恐怖で青白くなっていく




キ「お前のその顔はすごくそそられるよ、ハツカ」



強引にハツカの顔を引き寄せるキール。




流「キール!ハツカを離せ!!――火炎!!」




脇腹から流れる血をおさえながら流は魔術を唱え

炎の攻撃をキールに与えた



が、




キ「…きくかよ」




キールの前にバリアがはり

流の炎を弾いてしまった




流「チッ」





キ「おいおい。こっちにはこの大事な大事なハツカがいるんだから気をつけてくれよ」




しかし

おかしい

流の魔術の威力はキールよりも上のはずだった


だとすると

いつのまにこのような力が彼にあるのだろうか

それにキールを取り巻く気がどんどん強くなってきている





キ「なぜ俺にこんなに力があるのか疑問か?」




流の心を読んだかのようにきくキール。





流「………ハツカ…?」




まさか、と思った。






キ「正解だ。」




―――グッ!



ハ「うっ…!」




キールはハツカの顔を強引にもう一度引き寄せて

顔を近づけていく



ハ「っ、や、ゃ…はなし、て」



流「キール!!」



――バチッ!




また流の魔術が弾かれた




キ「うるさいよ、流」



そういいながら

ハツカの顔に顔を寄せるのをやめないキール



もう少しで唇が触れようとしたとき……






―――ドォン!!



キールはその音に反応し

避ける。



その音を発した方をみると




ハ「じ、ジンッ…!」





眉間に皺を寄せ血相をかえたジンがいた。




ジ「…よう、キール。…随分とやってくれたみてぇじゃねえか…あぁ゛?」




低い声がさらに低さを増していた。

かなりキレている。





キ「フ。お前らの前で見せつけてやろうと思ったのになア。」



ジ「ハッ。…ブッコロス」


ジ「…ハツカ、今助けるからな」



ハ「ぅんっ…」




ハツカからぼろぼろと涙が出てくる




ジ「俺のもん泣かせんじゃねぇよ!!」


――ドンドンドン!!




キ「生憎先に目をつけたのは俺だ!!」



――ビュンッ!




ジンの球を避けたキールが攻撃しようとしたとき

後ろから刀がキールの首に当てつけた



キ「!?」




K「…隙を見せると首が飛ぶぜ…?」




Kが部屋のドアを壊し入り、キールの後ろにまわっていた




キ「チッ」



――ドン!



キ「グアアッ!!」




そのままジンがハツカを持つ左腕の肩を撃ち

キールはハツカを離した。





ハツカは立っていられず

そのまま倒れそうになったが

Kが支える



K「ハツカちゃん…?」




ハ「Kちゃ…」



抱き止めたハツカは

ぐったりとし熱を出しているみたいであった



K「遅くなってごめんね。すぐに休もう」


ハ「…まっ、…ながれ、さん…さ、き…」



ハツカの目線の先には

たおれこんでいる流の姿が。




K「うん、わかった。でもまずハツカを安全なところに連れていく」



ハ「ん、……」




すう、と眠るハツカ。



K「…ごめん。」




より強く抱きしめ、

Kは部屋から出た






ジ「…そろそろ終わらせるぞ。」




キ「……残念だが、上の指令だ。くやしいが今日はここまでにしといてやる。」




キールの足元から黒い穴が現れ

キールがしたに消えて行く




ジ「逃がすかよ!!」




キ「俺より流を見た方がいんじゃねぇのか?身体中に毒が回る前によぉ」



――ヴンッ





キールが消えた





ジ「クソッ、―流!」




ジンが流へ駆け寄る



流「すまない、ジ…」


ジ「しゃべらなくていい。医者呼んでこい!!」




めしつかいたちに医者を呼ばせる




そして

流は手術室へと運ばれた。







□□□□□□□□




おかあさん…



おかあさん…どこにいるの…?





―ハツカ




おかあさん…?




―おいで。





ハ「ぁっ…!」



ゆめ…?





視界はまっしろかった




ここは…?





ハツカはゆっくりと起き上がる




すると

いきなりとなりから

身体をだきよせられた



ハ「っ!?」




嗅いだことのある香水の香り



落ち着くぬくもり





ハ「ジ、ン…?」




黒い布を見にまとったジンが

ハツカを抱きしめていた






ジ「ごめん、ハツカ」




ハ「…え?」



ジ「罠だと気づけていたら…」





ぎゅう、とさらに抱きしめられた

ジンの身体が少し震えていた



そんなジンにハツカは

背中に手を回し


ハ「ジン…だいじょうぶだょ…」



優しくいった




ジ「…ハツカ」




ハ「…ジ、ン」





しばらく

抱き合ったまま


存在を確かめあった







K「…流、どうだ?」



城にある看護室で

流は寝ていた


一命はとりとめたが

まだ身体は麻痺しており

寝たきりでいた




流「ああ、今日は指が動いたんだ」


そういって

指を動かす



その姿にKは

ひとまず安心した




流「ハツカは?」



K「ジンがみてる。さっき目を覚ましたって」



流「そうか」



K「ふたりとも生きていてよかった」



流「殺すなよ」



流が軽く笑った





それからまた静かになると

流が口をあける



流「ハツカをその者に力を与える力を持っているのかもしれない…」



K「…たしかに、会ったときに何かを感じたし、キールを見たときどんどんと気が強くなっていると思った」



流「だが、あの子はまだ何かもっている」



K「あぁ。これからもっと世界にハツカが広がり、危険が増すだろうな」



流「刀、磨いてやる」



K「あぁ…その身体が治ったらな」


流「すぐ治るさ」





―コンコン、



K「はい」



ジ『俺だ』



流「どうぞ」




―カチャ、

パタン




ジンとハツカがきた




ハ「流さんっ」



ハツカが流のとなりに駆け寄る



流「ハツカ、だいじょうぶかい?」


ハ「流さんこそっ!」



K「まだ寝てなきゃいけないけど傷の方はだいじょうぶだよ、ハツカ」



流「あぁ、もうすぐよくなる」




そういって

ハツカの頭を撫でる流



すると

身体が軽くなったような気がした



流(……治癒能力?)



K「…」



ジ「無理すんじゃねぇぞ、流」



流「わかってるよ、ハツカが心配するもんな。」



ハ「うんっ…」



流「…だいじょうぶ」



ハ「はやくよくなりますように」



ハツカが流の手をにぎった瞬間、

―ドクッ




流「っ、」



ハ「ぁ…、」



ジ「ハツカ!?」



K「どうした!?」




ハツカは気を失い、流は自分の身体を抱きしめた




流「はっ、はぁ…た、ぶん。ハツカからの力が一気にきて、逆にわたしの身体が耐えられなくなったんだろう」



ジ「どういうことだ…?」



K「ハツカは触れた相手の能力をあげると共に治癒能力がある。だけど、今のハツカでは不安定でコントロールできていない、なおかつ自分の力に気づいてないために制御することが出来ないんだと思う」



ジ「それで、ハツカが祈ったとき…コントロール出来ないがために一気に力が放出し、流に一気に力が流れた」



流「そうだね。」



ジ「今の俺は……強くならなきゃいけねぇ」



K「俺もだ」





3人は

眠るハツカをみて

それぞれの決心をした。

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