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18話-3
その日から俺は演じた
そんな自分を
演じていく中で
自分で暗示をかけて
最初からそんな人間であると思い込んだ
その中で喋り方も変わって行き
自分の事を僕と呼ぶようにもなった
…そしてその過程の中で親父が死んだ
自分の体の中に病魔がある事を知らないまま
ある日、突然死んだ
ついに僕は親父を殴る事は出来なかった
…親父が死んだのに
僕は何も感じなかった
いや、感じていないフリをしていた
僕にとっては唯一血が直接繋がった…家族だった
だから…本当は悲しかった
けど、
僕はその事を隠して
親父が死んだのは自業自得だと言わんばかりに振る舞った
それで、いいんだと思った
今の僕は他人なんてどうだっていいのだから
血が繋がってようが
他人は他人なのだから…
親父が死んで
僕はすでに働いていた兄貴に面倒を見て貰う事になった
叔父さんに…と言う話もあったが、
僕の通う中学に比較的近いのは兄貴のほうだったため
そうなった




