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17話-4
流石に道場に通っているだけはある
受け身をとって、
美咲はすぐに立ち上がった
しかし、その顔には苦悶の表情があった
「…シ……ンジ…ッ!」
『どうした?
俺には負けないんじゃないのか?』
「ッ!」
『…だったら…ギブアップなんかしないよな?』
俺はあの日美咲がした嘲った笑みを含んだ表情を再現して見せた
「…う…ぐ…このっ」
美咲は右の中段蹴りを放った
俺はそれをしゃがみながら受け止め、
左足をスライディングの要領で蹴り飛ばした
美咲が態勢を崩し俺のほうに倒れて来た
俺は美咲を受け止めた
美咲は起き上がろうと上半身を起こした時、
俺は美咲の胸倉を掴んだ
そして、言った
『……俺はお前を許さない…
階段から突き落として…まともに謝りもせず…
知らん顔で居るお前を…な…』
「!!」
『…これは報復だよ』
俺が少し乱暴に手を離すと美咲は
立ち上がった
俺も起き上がり
構え直した
『どうした?構えないのか?』
俺がそう言うと美咲は構え直した