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16話-4
(何でだよ…!!
どう…して…!!
俺が死のうとしたのは止めたくせに…!!
何で……何で自分は……!!)
俺はその場に崩れた
自分では大声で悲鳴を上げた気がしたが、
わからなかった
一時的に全ての感覚が麻痺していた
ミコの姉…心は
しばらくして泣き出した
そして、俺を抱きしめた
不思議にも今日初めて会ったのに懐かしい感じがした
そして、語りかける様に俺に囁いた
「…君は…しないでね…
自殺なんか……
何故か…君は……ミコに似ているから…」
心はそう言って涙を拭った
(…俺が……似ている……?
…ミコに…??)
俺はその時
その言葉の意味を理解出来ないでいた
しばらくして感覚が回復してきた
俺は立ち上がり
心に無言で頭を下げて病室を出た
フラフラと
俺はあても無く歩いた
気がつくとあの日みたいに屋上に居た
俺はふらついた足どりで
あの時みたいに金網にぶつかって…
金網を掴んだ
けど、
あの時みたいにミコが現れる事はなかった…