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16話-1
俺が退院して数日…
日曜日…
時間が作れたのは休みの日くらいだった
以前の俺の生活を考えれば仕方のない事かも知れない
ミコと会えなくなって…
つまらなかった
何もかもが
学校の勉強なんてもちろん
道場の稽古にも身が入らなかった
俺の中心には…ミコが居た
その事に気付いた
まだ、その時
俺はその気持ちが何なのかわからなかった
今になって思えば
それは好意……
恋とか愛とか言うものだったのだろう
俺はいつもと同じように……
昼に来た
ギブスも松葉杖も…取れた分
いつもより足が軽い
だけど、ミコに会うのが待ちどおしい分
なかなか病室にたどり着くまでの時間が長く感じた
俺はやっとの事で病室の前に着いた時には
一体、俺の中でどれだけの時間が流れただろうか…?
…その場所に着いて俺は
感情が高ぶるのを感じた
そして、同時に緊張がピークに達し
喉が渇いて来た
俺は深呼吸をし、
そして、笑顔で会おうと決めて、
ノックをして、ドアを開けた




