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15話-4
その時は理由は聞かなかった
…後に聞いた話では
ミコはその日は
突然、朝から様々な検査を行ったそうだ
普通、事前に知らせるモノだとは思うが、
ミコの場合
緊急を要するから、だそうだ
しかし、
その時の俺はそんな事なんて知らなかった
どんな病気かとかはあえて聞かなかった
何故かはわからないが、
直感で聞いてはいけない気がした
ただ……何となく嫌な予感……
その前兆はわずかながら感じていた
少しずつだが…
ミコの元気で無くなっているのを
ミコは無理をして、
俺に元気な姿を見せているのを
俺は気付いていた
気付いていながら…
認めたくなかったんだ…
……ミコと友達になって二ヶ月程経った
退院までそう遠く無い
ミコに出会ったあの日から
俺は毎日、ミコと会って
話して
遊んでいた
今日も
「シンジ君、今日も早いね」
『ああ…いや、そんな事無いよ』
「えー?
早いよいつも」
『…待てなくてさ
ミコが来るのを…
だから、毎日こうやって来ちゃうんだ』