14話-5
『……ほっといてくれよ』
「ダメだよ!」
『俺が何しようが俺の勝手だろ!』
「だからって、死んだらダメなの!」
『別に俺が死んだってミコには迷惑かからないだろ!』
「そういう問題じゃない!」
『なら、どんな問題だよ!』
「シンジ君が死んだら…悲しむ人が居るでしょ!」
『居ないよ!
誰が…悲しむって言うんだ!』
「お母さんとか…お父さんとか…」
『母親はずっと前に家出てったよ!
親父は俺の事なんか気にしちゃいない!
ただ、自分に迷惑かからなきゃいいって思ってんだよ!』
「じゃあ、お友達は?」
『俺に…友達なんか居るかよ…!!』
「そんなの…
一人くらい居るよ!」
『居ないね!
学校の奴らは友達なんかじゃない!
友達のフリをして…
形だけ友達のフリをしてるだけの…
ただ、同じ学校に通ってるだけの奴らなんだよ!』
「そんな…事っ」
『あるんだよ!
現に俺のこの怪我も…
学校で…同級生に階段から突き落とされてこうなったんだ!』
「っ!!」
『俺に…友達なんていないんだよ…』
「………じゃあ」
『え?』
「友達が居たらシンジ君は死なないの?」
『……あ、ああ
そうだな…』
「…じゃあ、
私がシンジ君の友達になる!」
『え…』
第14話 トモダチ