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14話-2
親父は入院初日しか来なかった
こっちとしてはツラを見るのも嫌気がさすくらいだったので
かえってそれでよかった
…後は担任の先生と道場のセンセイが一度、
兄貴が何度か来てくれただけ
学校の友達はもちろん
俺を突き落とした美咲は一切来なかった
…いや
そもそも友達だって言うのが誤りなのかも知れない…
俺は…
本当は…
『…友達なんていなかったんだ…』
確かに俺を遊びに誘うやつだっていた
でも、それは単なる頭数であって、
俺を必要とした訳じゃない…
…だから…
『俺には友達なんて居ないんだ……
…は、はは…
あはは…はは…
あははははははは…』
(…アァ…なンダ…
…俺は…一人だったノカ…
今ゴロ気付くなンテ…
ナンて間抜けナ…)
俺は衝動に駆られ、
病室を飛び出した
延々と病室にいたので昼と夜の感覚が麻痺していた
病室の外の廊下の窓を見ると、もう夜だった
俺はそのままフラフラとただあてもなく、
歩いて行った…




