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13話-1
夏の暑い日差しが俺の体力をじわじわと奪っていく
季節は夏
もうすぐで夏休みだ
休みはいい
学校に行かなくていいから、
それだけ道場に通える
だが…
この夏のクソ暑い日に
教室に閉じ込められるのはいただけない
何故って…
そりゃあクーラーはきいている
だが、
それが問題なんだ
クーラーが効き過ぎると体調を崩すし、
外に出ると暑さが増す
まるで、見えない鎖にでも繋がれてるみたいだ
…休み時間
「シンジ、お前今日も道場に行くのか?」
『当たり前だ』
「お前…凄いな……
あそこって、冷房機器無いんだろ?」
『扇風機ならある』
「扇風機?」
『実際、見てみないとわからないよ』
この時代に扇風機があるのはあの道場ぐらいだろう
センセイが言うには
クーラーみたいな物は浮ついた物であり、
人間の心を駄目にする
だから、暑い日は暑さを受け入れ、
寒い日は寒さを受け入れる
それが、強い肉体と精神の修業になる
だ、そうだ
…死人が出なきゃいいけど




