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12話-1
数年前…
その頃は僕にもちゃんと親(父親だけだが)が居たし、
友達だって居た
ただ、少し反抗期に入って
自分の事を"俺"って言い始めた頃でもあった
その頃の僕は…
地元の…道場で武術を習っていた
小学生だった僕は、
漫画やアニメのヒーロー等に憧れていた
年頃の少年にはよくある事だと思う
だから、僕はヒーローみたいになりたくて
腕っ節が強くなる事を願って、
毎日の様に道場に通い、技を磨いていた
その道場と言うのは
地元から派生した武術で、
何やら普通の武術と違うイメージだった
後から聞いた話だが、
元は暗殺術だったとか
学校の同級生も何人か居たが、
僕は小学生の中では結構な実力があったようだ
努力すればするだけ実力はつく
……個人差はあれども
僕は練習量では誰にも負けてなかったと思う
家でも練習していたし…
それに親父は躾と言って、僕をよく殴った
今思えば、
それは虐待だったと思う
ただ、当時でもその事に嫌悪して
いつか親父をノックアウトしようとも思っていた




