61/188
11話-3
しばらくしてドアが開いた
「ごめんね、シンジ君
わざわざ…」
『べ、別にミコが謝る事じゃないよ』
「そう?
あ、入って」
『あ、うん』
僕は玄関にあがり靴を脱いでミコの後ろについて行った
「えっと…コーヒーがいい?
それとも紅茶?」
『そんなのいいよ!
…それより熱はどうなんだ?』
「下がったよ
全然ヘーキ」
『おいおい…そんな訳…』
僕はミコの額に手をあてた
『……あれ?』
「ね?言ったでしょたいしたことないって…
平熱だよ、もう」
『……平…熱…???』
(いくらなんでも治るのが早過ぎ無いか?)
「だから、大丈夫だって言ったのに」
『……あ
そうだ、僕
差し入れ?
持って来たんだ』
「ホント?」
『ああ…何買っていいかわかんなかったから
果物がいいかなぁー…って』
僕は林檎の入った袋を出した
ただ、出した瞬間
これでよかったのか酷く不安になり、自分が凄い世間知らずに思えた
「あ、ありがとう
…じゃあ、せっかくだしこれ食べよっか」
『あ、うん……』
(これでよかったのかな……?)