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10話-4
『だと、しても…』
「物事に絶対は無いからね」
『…っ』
「そうだな…パラレルワールドって知ってる?」
『あ、ああ…』
「つまり、あの理論で考えた場合
君が見た夢が実際に起こる世界だってある」
『実際に…起こる世界…』
「決して他人事じゃない、"その世界の桐生神子"はそうなのだから」
『僕が…"その世界の僕"だってだって言うのか?』
「…さぁ、ね
でも、そうならない為に行動は出来るよね?
手遅れかどうかなんてその時しかわからないのだし」
『……そう……だね』
「…"女の子には優しく"、ね」
『…?!』
「じゃあ、ね
…桐生シンジ君」
『ちょっと、待てよ!
い…今のってどういう……』
「言葉の通り、さ」
そう言うと司堂一葉は階段から下の階へと消えて行った
『……まさか、気付いたのか…?
………春日の事も』
………
-司堂視点-
(…やっぱりね
歪んでるよ…次元
やはり、シンジ君が見た夢って
歪みの断片じゃないか…)
司堂一葉は光に包まれて消えていった…