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9話-5
「ところで…
こんな天気なのにここで食べるの?」
『雨は降ってないだろ?』
「曇ってるじゃないか」
『習慣になったんだ、ほっといてくれよ』
「習慣…か」
『だったら、司堂はなんで屋上に来てるんだよ?
こんな天気にだってのに……』
「うんー?
それはね……
……君を殺しに来た」
司堂の手には拳銃があった
そして、それを僕の額の手前にもってきた
『……司堂…!?』
「ふふふ……はは
…ばーん」
『!!』
司堂は引き金を引いた
その瞬間、僕は目をつむった
-…ぽんっ-
『……………
………?!』
「…なーんてね
これは玩具だよ」
比較的リアルなデザインであったその玩具の拳銃からは小さな旗が出ていた
『…………』
「軽い冗談だよ
気にいってくれたかな?」
『……そう見えるの?』
「…全然」
『……はぁ…』
僕は今の一連の出来事に激しく脱力した
『……たく
あの事思い出しちまった…(ボソッ)』
「あの事…?」
『…!!』
(…地獄耳?!)
第9話 悪戯




