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9話-4
…昼休み
今日はミコは居ないが、屋上での昼食がすでに習慣になっていたので、
屋上で昼食をとっている
(もうミコは帰ったかな…?
一応、帰りにお見舞いに行くかな……)
僕は弁当の卵焼きを口に運んで空に目を向けた
今にも降りそうな空だが、降ってはいない
だから、屋上で食べている訳だが…
しかしながらこんな天気で屋上で飯を食べるのは僕だけだろう…多分
そんな事を考えていると、後ろから声がした
「……シンジ君」
『ッ!
…ミ…』
僕は振り返ると同時に喉まで出かけた声を飲み込んだ
「…こんな天気なのに、屋上で食事かい?」
『…司堂一葉』
「久しぶり…って言うのもおかしいかな
毎日、同じ教室なんだから」
『え……あ、ああ』
…我ながら歯切れが悪い
「あれ?シンジ君はボクと同じクラスだって事忘れてなかった?」
『い…や……そういう訳じゃあ……』
おかしな話だ
こんな目立ちそうな容姿をしたボクっ娘の事を今の今まで忘れていた
「ふーん…?」
『……不思議な奴だ(ボソッ)』