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8話-1
…日曜日
あのまま僕はミコと距離をおいていた
どうしても恐怖が僕を支配していた
ミコに恐れる心と
その心に嫌悪する心が
僕を引きちぎりそうに引っ張りあっていた
時計は11時をまわっていた
兄貴は朝早くに出掛けて行った
僕はただ一人、ベッドの上で呆けていた
何もする気が起きない
日々の自分の中の葛藤で僕の心は擦り切れていた
(…まったく…
どうかしてる…
どうかしてるよ…)
『…ホント』
僕は寝転んだまま
カーテンの隙間から差し込む光に手をのばし、
遊ばせていた
その時だった
-〜♪-
携帯が鳴ると同時に僕の遊ばせていた手がビクッとなり一瞬、硬直した
僕は携帯に手を伸ばし、
手に取った
携帯の液晶に表示された名前は…
霧生神子だった
僕はその瞬間、躊躇った
電話に出るべきか、出ないべきか、と
(何考えてるんだ…!
僕は……!!
そんなの…悩む事あるのかよ……!!)
僕の自分自身への嫌悪感が広がった
僕は携帯の通話ボタンを押した
『…はい、もしもし』