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7話-6
僕は…
君の事が好きなのに…
好きなはずなのに…
何故、君に恐怖を感じた?
あんなの…ただの夢だって言うのに…
…帰路
…すでに辺りは暗くなっていた
僕はただ、家に向かって歩いていた
重い足取りのまま
僕はまだあの夢の事を引きずっていた
ただの夢の事なのに
馬鹿らしいし
どうかしているとさえ思う
けど、とてもRearに…
鮮明に…
その時の光景が目に浮かぶ
僕の目の前で自殺した春日美咲や
僕を躊躇なくメッタ刺しにして殺した霧生神子
まるで、今すぐにでも起こりそうな気がして…
僕は…
怖い夢に怯えた子供
…とても、滑稽だった
何度言い聞かせても理解しない自分の心に
何度嫌悪感を抱いただろう?
(これで…
これで何度目だ?
…ああ
そうか…
僕は自分が嫌いだったな…
だから、こんなにも自分に嫌悪感を抱くんだ…
…人がそう簡単に変われるものか、か…
やっぱり変わってないんだな…僕は…
…クソッ)
僕は延々と同じ思いを巡らせながら
家に向かって歩き続けた
第7話 夢魔




