37/188
6話-5
…深夜
蒼真はPCで調べモノをしていた
『……やっぱりだ
そんな訳無い…そんな訳が無いんだ』
蒼真は仕事柄
独自の情報網を持っていた
その情報網は私用に使う事も可能だった
『霧生神子は…死んでいる…
…間違い無く…!!
シンジが話していた時期と合致する…
シンジの勘違いなんかじゃない…!!』
蒼真はあるデータファイルを眺めていた…
『そう……シンジが小学生の時に亡くなってんだ…
この娘は…ナノマシン性心不全で…!!』
(だったら、シンジの言う霧生神子はなんなんだ?
精神に異常をきたしたとは思えない
まさか、本当に残留思念だとでも…?)
『…そんな馬鹿な事があるかッ…!!
死んだ人間は消えるんだ…!
そのまま留まったり…
生き返ったりするものか…!!』
-ドンッ-
蒼真はテーブルに握りこぶしをたたき付けた
彼の他に誰もいない部屋にたたき付けた音がエコーして行った
そして、その間に蒼真はある結論に達した
『…シンジに…教えるべきか…?
……いや、裏付けが取れていないのにそれはまずい』
蒼真は俯いたまま
画面を食い入る様に見つめながら言った
『……お前なのか?
…"心"』
第6話 ナノマシン




