36/188
6話-4
「キリュウ…?」
『あ、字は違うけど僕と同じ読み方の名字なんだ』
「もしかして霧に生まれるで霧生か?」
『えーと…うん、それ』
「……」
『…兄貴?』
「ん?
あ、いや…それで名前は?」
『ミコ…ちなみに僕と同じ漢字を書くんだって』
「……!
シンジ…それって…」
『?』
「……その娘、小学生ぐらいの時に入院していた時に出会ったって言う?」
『ああ、うん
そうだよ、よく覚えてたね』
「…死んだって…言ってなかったか?」
『どうやら僕の勘違いみたいだったらしい』
「そうなのか…?」
『だって、現に彼女は生きてるんだよ?
幽霊なんて非科学的なモノだって言うの?』
「…幽霊、か
…一応、そんなに非科学って訳でも無いらしい」
『…え?』
「強い意思を抱いたまま死んだら
残留思念てヤツになってその場所や人に留まるらしい」
『そうなの?』
「とある大学教授がそんな論文を出したんだ」
『で、でも…ミコは居るよ!
触れるんだ!
思念とかならそんなの無理だろ!?』
「……あ…ああ
そうだな
よくよく考えればその論文は眉唾モノ扱いされたらしいしな…
…俺の考え過ぎらしい」