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6話-3
(ナノマシン性心不全…
何かひっかかる…
なんだったっけ?
何かに…関係して…)
その時、玄関から扉の開く音がした
「ただいま、シンジ」
『あ、兄貴
お帰り
…仕事?』
「ああ」
『…ふぅん…』
何の仕事をしているのか聞きたかったが、
なんとなくこれまで聞いちゃいけない気がして…
今まで聞いていない…
「メシ作るから待ってな」
『あ…うん……』
(………やっぱり聞けない…)
……晩飯時
「ところで、シンジ」
『…うん?』
「最近、表情が柔らかくなったな」
『え…そう?』
「……ああ
…友達でも出来たか?」
『え…えー…と』
「それとも彼女か?」
『い、いや…その……』
「…………」
『えっと……』
「……ふっ
冗談だよ
父親面するにはまだ早いか……
はははっ」
『あ……あははは…』
(父親面する気だったのか…?)
『……まぁ…でも』
「うん?」
『……好きな娘は出来た…かな』
「ほう…」
『出来たって言うか…前々からだったんだけどね…』
「…名前…教えてくれるか?」
『えっ?!
あー…
う、うん…』
「じゃあ、頼む」
『き…霧生神子って言うんだ…』