32/188
5話-6
…帰路
なんだか気まずい
ミコも僕もお互い何も話さず…
ただ同じ方向を歩いていた
(……いつか、か…
いつかって…いつだよ!?
本当にそんな日が来るのかよ?!
…結局は…
話したくないから適当な事言っただけじゃないのか?僕は!)
『………くそっ』
「…シンジ君?」
『………何でも、ない』
「…そう」
…気まずい
とてつもなく…
…夕日が道を照らし
僕らが再会した頃には満開だった桜が今はほとんど散っている
僕は目を桜の木にやった
よく見るとまだ咲いてる花がある
(…へぇ、キレイだな)
と、その時
風が吹いた
-ブォッ-
(……あ…)
気がつくと花は風で散っていた
(………)
僕は視線を元に戻しそのまま歩いていった
少し歩くと
先程の出来事が悲しくなってきた
今の自分達と重なって見えた
(…花が散った様に…
僕らも……また……)
離れ離れになるんだろうか
と…
そして、
その考えは…
…後に現実のモノになった
第5話 不穏