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5話-5
(…人がそう簡単に変われるモノか、か…
それは…僕にも言えるな…
結局は…何も変わってないんだ…
僕も…アイツも…
あの頃から…)
自己嫌悪…
(前と同じ…
僕は…
結局は…
アイツの事を未だに許せない…
狭い心しか持ってないんだな…)
……
「シンジ君っ!」
後ろから突然呼ばれた
『!!
あ…ミコ…』
「…帰る前に…お話があるの」
『話…?』
「…さっき見たよ
美咲ちゃんと教室での事…」
『ッ!!』
「…その…美咲ちゃんと…
昔、何があったの…?」
『……
ミコ』
「なに?」
『人には…知って欲しく無い事の一つや二つあるんだ…』
「…だから、話したくないって?」
僕は無言で首を縦に振った
「…どうして?」
『…え?』
「どうして話したく無いの?」
『……思い出したく無い…』
「……今は…駄目…?」
『……え?』
「いつかは…いつかは話してくれる?」
『……どうかな』
「……私ね
シンジ君の事…
思ってたよりずっと知らないって…気付いたの…
だから……知りたいの、シンジ君の事…」
…僕も…と、僕は口に仕掛けた言葉を飲み込んだ
何故だろう…
僕にはそんな資格無いと思ったんだ
『………わかった
いつか…話すよ…』