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5話-1
目を覚ました時に飛び込んできた光景は見慣れた天井だった
その場所は…
僕の部屋だった
僕が状況を飲み込めず呆けているとドアが開き兄貴が入ってきた
「ん?
起きたか」
『…兄貴』
(何だ…?
この違和感…
なんで、僕は……)
『…兄貴、なんで僕は…ここに……』
「ああ…なんか帰宅途中に倒れたらしい
シドウって子が運んで来てくれた」
『シドウ…?
ああ…司堂一葉か…』
「後で礼言っておけよ」
『うん……』
(…………ん?
ちょっと待て
何かおかしいぞ?
記憶とのつじつまが合わない…
僕は確かミコと一緒に帰ってて…
それで、一緒に桜を見て…それで…
…それで?
そこから記憶が無い…
そこで途切れた?
でも、司堂一葉なんて何処にもいなかった…
なら……どういう事だ…?)
自分の頭の中に生まれた疑問を解決しようとしたが、
どうやら答えはいっこうに出ず、
頭はショートした
携帯を取って時間を見ると夜の11時を過ぎていた
僕は仕方なくそのまま寝て、明日にでもミコに聞く事にした




