4話-8
防戦一方だった
まともにやっても勝てる見込みがないのは目に見えていた
僕の目的は時間稼ぎ
ミコが逃げる時間さえ稼げればよかった
『く…』
-ズル…ドサッ-
「くそっ…時間がかかり過ぎだ…
何処に行ったかわからない…」
(よし…目的は…果た…し…た…)
「…お前の
お前のせいだ!」
-ドガッ-
『ガハッ!』
女は倒れた僕を蹴ってきた
「お前の!
お前のせいで!」
-ドガッ-
-ドガッ-
-ドガッ-
…酷い激痛
終わらない暴力
僕は限界を超え
意識を失った
…
「お前が!」
『もうやめたらどうかな?』
「!!
誰だ!」
『ボクは司堂一葉だよ』
「司堂一葉?
ああ…確かコイツと同じクラスの…」
『それより、それ以上やると死んでしまう
もうやめたら』
「五月蝿い!
私はコイツのせいで!」
『独断先行して失敗したって?』
「!?」
『元はと言えば君が悪いんじゃないか
責任を人のせいにして八つ当たりするのはよくないなぁ』
「…アンタ何でその事を…」
『…ボクは観測者だからね
それに今回の君の行動はイレギュラーだ
そのイレギュラーでシンジ君を死なす訳にはいかない
傍観者に徹する事は不可能だ』
「何を言って…」
『不確定要素もいいけど君はやり過ぎた廃除させてもらうよ』
「!?
人間"如き"が何を…」
-ブゥゥン、バシュゥウッ!!-
…光の柱が女を消滅させた
『さて、これからどうするか…』
第4話 "不確定要素"