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4話-5
…放課後
「シンジ君、一緒に帰ろ!」
『…うん!』
と言う訳で僕達は帰り道を歩いていた
陽が傾き
街が朱く染まっている
坂道を下って行くと、
ミコが突然言った
「シンジ君は…どうして私ともう逢えないと思ったの?」
『え…』
不意をつかれた
僕はまともに返事が出来そうになかった
(…死んだと思ってたなんて…
言える訳無いだろ…)
「ねぇ、どうして?」
ミコが顔を近づけて繰り返し聞いた
『あ……と……その…
……………
…秘密』
「えぇー?秘密ぅ?」
『…うん
秘密』
「教えてくれないの?」
『えっと…うん
ごめんね』
「……うーん
なら…しょうがないか…」
(何とか折れてくれたな…)
変な汗をかいてしまった
それに加えて喉がカラカラだ
『…ところで、何か飲まない?
喉渇いちゃって…』
「うん、いいよ」
僕らは自販機で飲み物を買い、
近場の公園で飲む事にした
公園につくと手頃なベンチに座り
缶を開けた
目の前には桜の木が何本かあり
綺麗だった
何故だか、僕らは
何も言えず
ただ黙々と飲料水で喉を潤していた