4話-4
「…私はね」
ミコは少し間を開けて話し出した
「ずっと…ずっとシンジ君に会ってみたかった
シンジ君が退院してから一度も会えなくて…
その気持ちは消える事はなかった
時が経つにつれて…
逆に大きくなってったの
それで……だから…私は…
またシンジ君に逢えてよかった…」
…僕は赤面して、
息苦しくなり
耳たぶが熱くなるような感覚に襲われた
まるで、ベタなドラマで聞くような台詞を実際に体験し
ガチガチになっていた
声を出そうにも中々出ない
少し時間をかけてかろうじてかすれた声が出た
『…ぼ…くは…
………
…ミコに…逢いたくても逢えないと思っていた…
だから…君があの"ミコ"だとわかった時
…とても、嬉しかった…んだ…』
僕が言葉を言い終えると
ミコがふいに微笑み言った
「…じゃあ、シンジ君
お願いがあるよ」
『…お願い?』
「…うん
今まで一緒に過ごせなかった分
私と一緒にお話しして、一緒に遊んで欲しい」
『……』
「……ダメ?」
『…ダメなモンか
僕も…同じ気持ちだよ』
ミコはぱあっと明るい表情になり手を出した
「…じゃあ、これからよろしくね
…シンジ君!」
僕はミコの手を握った
『よろしく、ミコ』
「………あははっ
何かヘンなの!!」
『…確かに何か改まり過ぎだね』
……
結局、弁当はまともに食べれなかった