0話
はじめまして
ボクは司堂一葉
傍観者さ
物語をただ見守るだけの存在
まぁ…時に例外はあるけど
観測者って言った方が正しいかも知れないけど
ボクはあくまでも傍観者さ
…もしかしてボクを知っているって人が居るんじゃないかな?
残念だけど初対面さ
どういう意味か解るかい?
…そうだな…パラレルワールドって言う理論を使うと解り易いかな
別の可能性の世界…とでも言おうか
世界は常に選択を行っている
それにより未来が無数に分岐した世界
それがパラレルワールドさ
例えばここに一枚のコインがあるとしよう
一回投げて表が出たとしたら
裏が出た世界をパラレルワールドだ
解りづらいかな?
例えばその後もう一回投げたとしよう
そこで単純に考えて
二回表が出た世界、
二回裏の世界
最初が表で次が裏の世界
最初が裏で次が表の世界
これだけで四つの可能性が生じる
その可能性一つ一つに世界が存在する
それがパラレルワールド
だから、君達が知っている司堂一葉は別の世界の司堂一葉なんだ
…物語の中に
知っている人が出て来るかも知れない
けど、それはこちらの世界の住人で君達が知る世界の住人では無い
ボクが言いたいのはそれだけさ
さぁ…『彼』の物語を…
観賞させてもらおう
第0話 並行世界