33話-4
「わ、私は……"私"…で…す」
『君は…否定するかも知れないけど…
俺は…!
俺は…君が好きなんだ
その事は…
君が霧生神子でも
霧生神子でなくても
変わらない…!
そりゃあ…きっかけこそそうだったかも知れない…
けど…!
君と過ごした日々は…
間違いなく"君"との思い出なんだ!
だから…"僕"は…"俺"は…
君が何者であれ、関係無い!!』
「…それは…シンジ君がそう思ってるだけ…だよ
私は…違う…
その事実は…決定的に違う
確かに"私"は"私"…
だけど…私が神子じゃなきゃ…
私は…」
『…なら、君は神子だよ!』
「違う…!
私は…神子じゃなかった…
だから…私は…存在意義を失った…」
『そんなものなくったって生きていけるよ!!』
「私は生きていけないの!
何者でも無く…自分の居場所を失って生きていける程…強くなんてない…」
『…俺の傍じゃ、駄目なのか?
俺の…"大切な人"じゃ…居場所にならないのか…?』
「…駄目だよ
私にそんな資格無い…
私のせいで…
シンジ君は逢う必要の無い危険に逢ったもの…」
『…それは、俺の意思だよ…』
「…それでも、駄目だよ
私は…シンジ君の傍にいちゃいけないんだよ…」
『……そうか』
そう言うと俺は
-ガシャン-
後ろのネットによじ登った