18/188
3話-5
…帰路
後ろから声がした
「シンジ君!」
振り向くと…
『ん、ミコ』
「シンジ君…どうしたの?
恐い顔…して」
『え…あ、いや何でもない…』
「えっと、シンジ君もこっちなんだね
一緒に帰ろ!」
『あ…うん』
……
(この娘は…本当に…あの子なのか?
確かに僕は…死んだって聞かされた…
…よし、遠回しに聞いてみよう)
『そう…いえばさ…』
「うん?」
『ミコは…いつ退院したんだ?』
「えっとね…シンジ君が退院して…半年ぐらい後かな…
って言ってもまだ通院してないといけないんだけどね」
『え?大丈夫なの?』
「うん、お姉ちゃん、お医者さんだから何かあったらすぐに、ね」
『あ、そうなんだ…』
(…何だか本当にそんな気がしてきた)
…あれは僕の見た、幻…きっと何かの間違い…だったんだろう
だって、現にこうしてミコは生きてるのだから
それに…
「なに?シンジ君?
私の顔に何かついてる?」
『あ…いや、何でも無いよ』
…僕の…失ったと思ってた初恋の続きが出来そうだ
…同時刻、某所
「霧生神子…
そうか、彼女、か…
…明日にでも"仕掛ける"か…」
第3話 Startline




