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32話-3
「シンジ……ッ」
『…………』
「………ッ」
-ブンッ!バキッ!-
『痛っ…』
兄貴は俺を殴った
俺は殴られた右の頬の痛みから右目から涙が出た
だけど、俺はそれをただ痛いとしか感じず
それ以上は何とも思わなかった
「…シンジ…
俺は…お前が辛いって事は理解出来る
だけど、それ以上は…お前しかわからない
お前の心はお前だけのモノだから…
けど、お前はまだ生きてるんだろう!
生きてるうちは…精一杯生きなきゃいけないんだよ!」
『……!!』
(……ミ…コ…?)
「そうじゃないと…死んでいった奴らに失礼だから…
生きている者の務めなんだ」
『……同じような事』
「え?」
『ミコにも言われたよ…』
「…シンジ」
『……悩むのは…後からにする…』
「……」
兄貴は何も言わず、俺の手を取り
俺達はその場を後にした