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31話-5
『な…!何、言ってんだよ!』
「霧生神子は居ないの
もう…すでに」
『じゃ…じゃあ、君は誰なんだよ!
ミコじゃないってなら…』
「私は…霧生神子のクローン…」
『え……』
「神子の…脳細胞の一部と…記憶をもっているだけの
造られた人の形をした存在…
そういう意味なら
私が殺した…
このアンドロイド達と同じ…」
『…じゃあ…ミコは…』
「死んだの
貴方の記憶通りに…」
『……そんな…そんな事って…!!』
「哀れね…」
『…え…?』
「貴方も…お姉ちゃんも…このアンドロイド達も…
そして、私も…
元を追求すれば
小さな女の子の影を追っていただけ…だったなんて…!」"ミコ"はその強い語気とは裏腹に涙が止まらず
溢れ出していた
『………』
俺は何も言えなかった
"俺"が何も言えないと言う事は…
俺の全てが返す言葉が無いと言う事だ
「…ははは…あははは…
私は…その幻影の為に…こんな身体を持って…
同類達を殺してまで生き延びようとし…
あまつさえ貴方さえ手にかけようとしたなんて…
なんて…道化かしら…」




