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31話-4
…息苦しいのはまだ生きている証拠だ
『……?』
ミコの掌は俺の顔の横に刺さっていた
俺の感じていた息苦しさは俺の胸倉をミコが掴んでいたからだった
『…ミ……コ……?』
「…………」
『ミ……
……!!』
-ツー…-
ミコの頬には涙がつたい落ちた
その目は
いつものミコの目に戻っていた
「シンジ……ク……ン…」
『ミコッ!』
俺は起き上がろうとした
けど、たたき付けられた衝撃で体が一時的に痺れて
起き上がれなかった
だから、
右手でミコの頬の涙を拭こうとした
だが、ミコはそれを拒絶する様に立ち上がった
「……これ…私がやったんだよね…」
ミコは半壊した校舎と奴らの死骸を見ていた
『……あ、ああ…』
「……そうか…やっぱり…か…」
『やっぱり…?
ミコ…君は…一体…』
俺はなんとか体を起き上がらせた
「……私……気付いたの…」
『気付いた…?』
「…私…
霧生神子じゃないの」