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3話-4
『あのさぁ…昨日今日で親衛隊気取るのは結構だけどさ
そんなの個人の自由だろ?
何の権利があってそんな事言ってるんだ?
今時、そんなの流行らないよ』
「うるせぇ!」
-ブンッ-
(…やれやれェついにィ暴ゥ力…かァ…)
-パシッ-
「!!!」
僕の胸倉を掴んでいた男子生徒は驚いていた
今のタイミングで僕が反応し
いとも簡単に受け止めたから
…いや
正確には"僕"ではなかったが
『…テメェらいい加減にしろよ?
そんなに"俺"に潰されてェか?』
「あ…あ…う…」
目の前の男子生徒は動けなくなった
"俺"に睨まれたからだ
ある程度武術を会得している者は睨むだけで威圧感を与える…
いわゆるメンチと言うやつだ
それを"俺"は使えるのだ
『ンだよ?
やンのかよテメェら!!』
「………」
…周りの誰一人として戦意を持った人間は居ない
『チッ…腰抜けが…!
離せ!!』
"俺"は胸倉を掴んだ手を強引に引き抜いて、そのまま帰っていった
……
その後しばらくして、我にかえった
『…やっちゃったな
短気は駄目だね、うん』